雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

目に映るもののうらがはきりぎしの口開くごと言葉を放つ

2024-02-11 20:32:00 | Weblog

 ある歌人たちに。

 もちろん、私の好きな歌人たち。

 思い返せば、私は古典和歌に親しみ、その次には前衛短歌に飛んだ。新古今和歌集や金葉集千載集などを気ままに読みあらし、大胆な修辞や新感覚な言葉どうしの構築によって美意識を結晶させる詩歌に憧れたのだった。

 最近若手主流の歌誌に参加を始めたが、そこに集まる歌たちの、繊細で鋭い感性に目を見張りながらも、この人たちが、実に穏やかに。。。誤解を招く表現かもしれない。。。過不足なく、平和で豊かな日本のリアル日常を歌っているのにも、驚いている。
 危うさや齟齬、脆さを歌っていながらも、恵まれた幸せな世界の中での不安であり、違和であり、結局は市民生活の調和の中にある、やわらかい呟きのように思える。

 塚本邦雄、春日井健、葛原妙子、斎藤史などは、もう古典化してしまったらしいと感じる。現実感覚を覆すような衝撃を一首に打ち込んだ昭和黄金期の歌人たち。

 現代若手短歌と昭和前衛歌人たちの歌を読み比べて感じる大きな距離感、隔絶感。
 むしろ古典和歌の方が令和若手歌と近いような気がする。たぶん自分たちが属する世界の肯定と保守を前提として作歌する心構えが同じだからだろう。

 
 これは私の主観的なよしなしごとかもしれない感想。


 静かな一日だった。

 愛と感謝。

 




 
 

 
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