秋の陽射しと海の轟きに。
秋といっても、もうじき初冬。でも湘南の紅葉の見ごろは十二月くらい?
歌のことを考えていると、時間がとまってしまう、ような気がする。
いつか詠った歌を思い出すと、そのころと今との隔たりを忘れる。
ものすごくピュアな姿勢で、歌ってきたなあ、我ながら思う。
心に余分な混ぜものをしないで、歌に心を寄せてきた。これからも、たぶん。
現実に、自分が女性としては相応に落ち着いた年齢だと自覚がある。
結婚もしているし、社会的な枠組みのなかで生きている。
でも、恋歌が好きだし、和歌でも現代短歌でも、恋の歌はいちばんわかりやすい。
小説を書いていると、自分の造型した少年乃至青年に、
うかうかと恋、してしまったりする。
そんなふうにして、今も恋の歌をうたう。
分別盛りのわたしじゃない、まだ無垢な少女のわたしになったりして。