空の美しい日、樹はどのようにうたったか。
空の病む日、樹はどのように耐えたか。
空の荒れる日、樹も又どのように荒れ狂ったか。
すべて垂直に空に仕えるべく運命づけられたものたちの歴史。
あの貧しい一行詩篇のように。
……浜田到さんの随筆「血と樹液」から
この方のエッセイは、そのまま詩のよう。
あまりに透徹していていたましい。
共感しつつ、いたましい。
わたしのなかの詩への想いを代弁してくれる部分と、
鋭利な刃先に触れるようなおびえが奔る断片こもごも。
ようやく午後ぽっかり空いた。
しばらくチェロに触れなかった。
ちょとした間にはチェロを、という椿さん。
わたしは詠ってしまう。
でも午後からはすこしお稽古しよう。それこそ初歩から。
CDEFGAHのスケールから。
ゆびさきが鈍くなっているだろうし。
ドヴォルジャークが好き。
スラヴ舞曲、新世界、ユモレスク、それから「森のささやき」
今日そこまで奏でられたら……。
スラヴには昔々、チンギス汗の世界制覇のおかげで、東洋の遺伝子が混ざっているそうだ。
混血が複雑だと美男美女のこどもがうまれる。
あの新体操の華奢な美少女たち!
中国雑技団の曲芸と紙一重の柔軟さ!
とおい血の連絡。音楽のつらなり。