夜空に。
帰路、桜山から眺めた光景。
豪雨は行ってしまった。名残の雨粒がときおりぱらつく。
やわらかな山容の重なりのかなたに、コバルトの海が盛り上がって見えた。
地球がまるいということの実感。
風がからだをつきぬけて揺るがす。
今朝の突風で、先週買ったばかりの傘の骨がまがってしまった。
樹木には芽吹き。雨に濡れた黒い樹肌に、萌黄いろの芽ぐみがあざやかだった。
この風ごと、心が飛ばせるものなら。
画像は、先日、やはり雷雨直前の稲村ヶ崎。
地軸をゆるがし、すぐ耳元で春雷。
ごぉっと風がはしり、空を渡る。
海がみたい。この嵐もよいの朝、波は、潮はどのように猛っているか。
こころのなかの澱や停滞を、この雨風が吹きさらう。
海もまた曠野。