ネットのどこかでこの本の存在を知り、図書館で借りました。表紙にあるように "バッハ、ベートーヴェン、ブラームス… 11人のクラシック作曲家ゆかりのレシピとエピソード" が書かれています。著者はクラシック好きの料理人の方です。本の内容は作曲家の生涯と料理についてが8:2位の感じで紹介されています。つまりはメインが音楽家の生まれ育った環境や当時の社会などのエピソード紹介ですので料理にそれほど興味のない方でも楽しめそうです。登場する料理のレシピはドイツ、オーストリア、東欧の料理がメインでこれは著者の得意とする料理分野と推察されます。作曲家が食べたという史実に基づくものもあれば、きっとこの時代には彼はこのようなものを食べていたはずだという推察に基づくものがメインです。実際にはメンデルスゾーンのような裕福な出身の例外を除けば当時の音楽家の地位は低く、貴族や教会のお抱えとなっている時期にはそれなりの食事にもありつけたはずという感じのようです。
結構、音楽家の作品や人生には詳しい人でも知らないことはあると思います。例えばショパンは肉は食べずにもっぱら魚だったとか、バッハがハンブルクからリューネブルクへの帰途、無一文で飢えて宿屋の前に立っていると、その窓から鯡の頭がいくつか街道に投げられ、それを拾いあげてみると、それぞれに金貨が入っていて、それでもう一度ハンブルクとリューネブルクを往復することができたという逸話などが紹介されています。
音楽家のゆかりの場所がカラー写真で紹介されていますので現地に旅行される方にもおすすめです、興味のある方はぜひ。
それともう一冊、私が昔買った本ですが『音楽ファンのためのウィーン完全ガイド』という音楽之友社から2003年に出版された本がありますが、こちらは今となっては一部の情報が古い可能性もありますが、かなりの情報量が詰め込まれており、一週間以上かけてウィーンを旅行される音楽好きの方にはお勧めします。
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