ちょっと前のことだがオーストリアのピアニストであるイングリッド・ヘブラー女史が93歳で亡くなったことをNYTimesで知った。ザルツブルグからの知らせだったことから亡くなったのはザルツブルグだったようだ。彼女の名前を知っている人はそう多くはないかもしれない。日本でもニュースになってないし。
かって私がモーツァルトのピアノ・ソナタを習っていたころに、ピアノの先生に参考になる演奏家について聞いた時にその名前を教えてもらったのが最初だった。当時の音大生くらいならきっと知っていたのだろう。私がその頃に買って聴いていたCDはファジル・サイのデビュー盤で先生にお貸ししたところ、その演奏スタイルに大変に驚かれたようだった。ファジル・サイのソナタの10番は私の好きな曲のひとつだが、速いテンポで珠を転がすような巧みな演奏なのだが、ヘブラーを演奏を比べると今聴いてもとても音色が綺麗で素晴らしい。(なおファジル・サイは繰り返しを弾いていないので演奏時間が短くなっています。)
なおあののだめもコンクールで弾いていたシューベルトのソナタの女史が弾いているのも絶品。R.I.P.
Mozart: Piano Sonata No. 10 in C Major, K. 330 - I. Allegro moderato
Piano Sonata No. 10 in C Major, Op. 6 No. 1, K. 330: I. Allegro moderato