粋なオヤジになりたくて

♪一日おきにリリースしています。アップされるのは約4ヶ月遅れです。♪

Max Roach - Driva' Man 1960

2008-06-09 | ジャズ
 
 こんなごついモノクロのジャケットにジャズ喫茶で出会ったご同輩もいらっしゃるはず。これはかなりくつろぎに欠けるかなり硬派な選曲ですね。これで帰ってしまうお客さんもいたりして。でもこのアルバムが当時は確かに時々かかっていた。

 リンカーンによる奴隷解放100周年を記念して制作されたというこのアルバム、タイトルは"Freedeom Now Suite",符合するかのようにヴォーカルはその名もアビー・リンカーン(ダラー・ブランドに匹敵するような明らかにおふざけの芸名です。)ちょうどこの頃からコルトレーンもアフリカ回帰路線となっていき、この手のジャズは白人のカクテル・タイムのためのBGMではなくなっていきます。ジャケット・デザインは当時の公民権運動のひとつのスタイルだったシット・イン(レストランで黒人の方お断りの席にすわっちゃえ運動)それから約50年が経過してSF映画ではよくある黒人の大統領が誕生するところまでにアメリカは本当に変わったのでしょうか。

 小生が初めてマックス・ローチを聴いたのは1940年代末のバド・パウエル・トリオの演奏だったが、バドの疾走するテンポに当時ついていけるドラマーはローチだけだったという。彼はフォークソングの世界以上に音楽に政治的メッセージ色を強めたジャズメン。このアルバムのすごいところは音楽としても一級品であること。

Driva' man he made a life
But a mammy ain't his wife
Choppin' cotton don't be show
Better finish out your row
Keep on moving with that cloud
Driva' man oh show you how
Get work and loose that stone
Driva' man oh make you job
They are making hummer ring
Driva' man oh start to swing
Ain't but two things on my mind
Driva' man and quittin' time
Driva' man the kind of boss
Ride a man and lead a horse
When his cat-o'-nine-tail flies
You'll be happy just to die
 :
 :
Driva' man = 黒人奴隷を現場で監督する白人
cat-o'-nine-tail = 可愛い名前だがムチのこと
(小生がYouTubeの音から拾ったのであまり正確性は期待できませんがちゃんと韻を踏んでいます。)

 さすがに歴史的名作というわけでちゃんとDVDが作られていてローチのドラム・スタイルもよくわかります。モノクロで監獄のセットが舞台になっています。出だしのサックスからして暗い。コルトレーンも後の至上の愛で影響を受けていたのでしょうか。タンバリンやピアノのなんと怒りに満ちたこと。映像が加わるとレコードの音だけの場合とはまた感じ方が違ってきますね。




二曲目の"Tears for Johannesburg "になるとまた違ったアビーの魅力が見えます。なおDVDの演奏は1から延々と4まで続きますが、2にはいるとおふたりだけの掛け合いとなるのですが、ちょっとこれはヤバイので注意が必要です。
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