ギリシャ神話あれこれ:ペンテシレイア来援(続)

 
 アマゾン女王ペンテシレイアを先頭にトロイア軍が攻め寄せてくるのを見て、ギリシア軍は驚きながらも応戦する。だが女王と女戦士たちは強く、電光石火、次々と武将を討ち取っていく。
 ペンテシレイアの雌獅子のような暴れ振りに、遠くイリオス城から戦況を眺めていたトロイアの女たちも、では自分も! と奮い立って出陣の準備にかかるほど。
 再びギリシア船団に火を放とうと、手に手に松明を掲げて、怒涛のように押し寄せるトロイア勢。が……

 ここでようやくアキレウスが、大アイアスとともに出陣する(彼らはそれまでパトロクロスの墓の前で、相変わらずに嘆いていた)。ギリシア軍は一気に形勢を逆転し、野を焼き尽くす猛火の勢いだったトロイア勢は、今や燃え尽きる蝋燭の火のよう。
 ペンテシレイア配下の12人の女戦士らは徐々にまばらとなり、やがて全滅してしまう。

 部下を殺された怒りと悲しみに濡れ、一人残されたペンテシレイアは、トロイア勢を追撃するアキレウスに猛然と立ち向かう。アキレウスは、身の程知らずめ! と嘲笑うと、長槍を振りかざしてペンテシレイアの右乳房を突き刺した。
 そして、つかつかとやって来ると、彼女の胸から引き抜いたその槍で、馬上の彼女を馬もろとも刺し貫く。ペンテシレイアは馬ごと横ざまに大地にどうと崩れ落ちて、息絶える。

 トロイア軍はペンテシレイアが倒れたことを知ると、怖れをなして退却する。

 To be continued...

 画像は、フォイエルバッハ「アマゾン女族の戦い」。
  アンゼルム・フォイエルバッハ(Anselm Feuerbach, 1829-1880, German)

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