世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
境界性人格障害についてのレポート(続々)
境界性人格障害の病因は定かではないが、成育過程における両親、特に母親による過保護・過干渉、あるいは無関心が主要因であるらしい。子供時代に「分離不安(=見捨てられることに対する極度の不安)」を持った人間が、性被害などを引き金に発症する場合が多い。
他方、境界例に性被害によるストレスが絡んでくると、概ね病症は複雑となり、治療も困難を極める。
治療としては結局、自分の過去を受け止め、客観化していくしか方法がない。自分の病症が何によるものかを自覚し、成育過程においてこうむった欠損と、発病の直接のきっかけを知ること、それらを医師に話した上で、信頼できる医師を見つけること、が大事。
自分の成育過程を直視しようとすると、熱が出たり、吐き気がしたりと、防衛のため身体的症状の出ることもある。が、これについては様子を見ながら対処するしかない。
回復のためには、まず、自制心をつけることが最重要。そして、自分についてと同様、相手についても尊重することを学ぶことも重要。境界例は、徹底的に自分本位で、他人の言動には傷つきやすく、そのことで他人を責めるくせに、他人に対する自分の言動の影響には鈍感なところがある。
最も困難な文明病の一つとされる境界例。人口の約2パーセントが、この境界例に該当するという。実に50人に1人の割合。著名人のなかでは、太宰治やヘッセ、尾崎豊、ダイアナ妃らが境界例だったと言われる。
さて、以上はいろいろ調べれば分かる内容。で、以下は私の勝手な意見と感想。
境界例の症状をざっと見ると、社会的機能に障害を来たすほどではないけれど、自分にも境界例のケがあるんじゃないか、と感じる人は、案外多いのではないかと思う。
私自身について言えば、幼い頃から母に、父に対する不平・不満を聞かされて育った。ま、確かにアホな父ではあったけど、それでも、母からそれを聞かされ、共感を求められるのはつらかった。子供心に私は、「自分はこれから一生、父に代わって、母を幸せにしなければならない義務があるのだ」と思っていた時期があった。
これは「分離不安」の心理とよく似ている。
では、私は運が良かっただけなのか。もしかしたら私も、境界例を発症していたかも知れないのか。……と言えば、そういう単純なものでもないように思う。
To be continued...
画像は、エルスレー「少女の頭部の習作」。
アーサー・ジョン・エルスレー(Arthur John Elsley, 1860-1952, British)
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