ああ、じんましん(続々)

 
 学生のとき、通学途中、鼻の奥に蕁麻疹が出て困ったことがあった。仕方がないから、ハンドタオルで鼻をつまんで、ひたすら耐えていた。
 が、運悪く相棒(このときはまだ相棒じゃなかったけど)に出くわしてしまった。なんでこの人、こんなときに出現するかねー。

 相棒は、私が顔半分をタオルで隠しているのに好奇心をくすぐられたらしく、勝手に謎当てをし始めた。「吐きそうなの? それにしては顔色がいいよね」、「分かった! 怪我をしたんだね」云々。
 で、電車の途中で腫れが引いたので、タオルを外したのがまずかった。
「途中で隠す必要がなくなるってことは……」と、再び謎当てを始めた相棒。「分かった! 歯医者に行ってきたんだね。で、ついさっき麻酔が切れたんだ。そうでしょう」

「はい、(2日前に)歯医者に行ってきました」と、一部ハショって答えておいた。

 この前、鼻の奥が腫れて、痒いので鼻をつまんでいると、相棒が嬉しそうに叫んだ。
「分かった!! 答えは蕁麻疹だね!」
 はい、当たり。……こっちは痒い思いをしてるというのに、10年来の謎が氷解した相棒は、ご機嫌だった。

 画像は、ヴァロットン「病める女」。
  フェリックス・ヴァロットン(Felix Vallotton, 1865-1925, Swiss)

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