おもしろかった、と書いたら不謹慎かな。鎌田慧の40年前の名著「自動車絶望工場」のときのような感銘を受けた。ルポというより労働者になりきった報告の生々しさ。
民営化された戦争についての貴重な記録だ。
------ 目次 緑字は千恵子メモ -----------------
第1章 イラク戦場労働への道(イラク行き急募;クウェート就労ビザが必要? ほか)
23 重さ19kgの鉄板入り中国製防弾チョッキ、韓国製のヘルメットを持って辛そうに歩く男たち たくましいとはいえない細身の体をした彼ら
41 貧しい国、ネパール人が17000人とか、イラク国内で活動している しかし斡旋料を払えるのは、まだ豊かな層 借金して出稼ぎ
第2章 戦場労働の心得(拘束の三年間;バグダッド空港・基地 ほか)
68 著者は04年に拘束された経験あり
第3章 戦場の料理人(激戦地ディワニヤ;居住区の衛生管理 ほか)
143 経済制裁のため配合飼料が輸入されないため、放牧 結果的に質の良い肉 有機農業が発達したキューバと状況が似ている
第4章 戦火の中で(奴隷労働;銃を突きつけられる ほか)
170 激化する抗争
179 ブラックウオーター事件
192 シェフに上り詰める エビフライ
201 ボスの役割 家族 部族社会 なるほど
第5章 戦場で働くということ(戦争は「安い命」で;戦争の民営化と戦場労働 ほか)
241 日本人が出稼ぎにいくとしたら