「舵のない船 布川事件の不正義」 伊佐千尋 現代人文社
ご本人たちの話は、この秋なんどか直に聞いていた。
このたび映画「ショージとタカオ」のチラシを見て、その余りの明るさに冤罪被害者ふたりの30年を知りたくなった。
雑誌に連載されたものを文藝春秋から出版され、このたび現代人文社から出版されたルポルタージュ。以下、備忘録。
早く警察の調べを終わらせて、検事さんのところに行って話せば分かってもらえるだろう 102頁
認めれば、すぐ裁判にしてもらえると思って、裁判所で正々堂々と闘おうと思って認めたんです 110頁
まさに典型的な別件逮捕であり別件勾留 141頁
被疑者が逮捕されると、新聞テレビはいっせいにこれを犯人と決めつけて大々的に報道する。これは証人の情緒を撹乱し、神経を過敏にさせ、不安定な状態においてしまう。192頁
物証のない事件は、底荷と舵のない船のようなもの 215頁
冤罪被害者の桜井昌司さんブログ『獄外記』