監獄人権センター三十周年
角川歴彦さん フロッグS
角川歴彦、KADOKAWA元会長。五輪汚職をめぐり無実の罪で長期勾留された手記が凄い、凄まじすぎる。英語でも緊急出版され、「人質司法」違憲訴訟を全面展開。弁護団は、ドリーム・チームなのだ。
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NPO法人「監獄人権センター」が設立三十周年を迎えた。監獄法時代の九五年に設立。人権を国際標準に上げる活動をしてきた。
駆けつけなくちゃと思ったら、案内状にチケット一万円とか五千円とか書いてある。ぎゃおー、どうしよう金。でもCPRセミナー無料だったしぃ、三十年に一回だからと参加。
立派な私学会館には弁護士、学者、議員、文化人が大勢。なんせ代表の海渡雄一Bは、日弁連の事務総長やってたもんなあ。
最初に、くだんの角川さん。お題は「あなたは、死なない限りここからは出られませんよ」どきっ。副題が「私が東京拘置所で受けた医療」。
八十翁、常用薬はジェネリック無しは不可、十五キロの体重減。接見中に昏倒。白目を向いたまま椅子から崩れ落ち、よだれと鼻水。医務室に運ばれても治療はおろか、昏倒報告もされてない。★書七二頁。
第二部は、刑務所の現在過去未来。新たな試みとして、姉妹団体「フロッグサークル財団」。ふろっぐって何? 蛙かえる変える帰るって? リーフレットには「ふりかえり、飛ぶ、未来へ」と書いてある。支援対象は元受刑者、発達障害の方、依存症の方。
第三部のパーティーでは設立時に立てた目標の答え合わせも。革手錠の廃止、保護房の監視、第三者機関の設立などなど。唯一、×とされたのは医療。国際人権法違反は明確なのにね。
記念パンフレットが素晴らしい。なんと海渡Bの娘の双葉さんが大学生の時に、映画「ザ・ハリケーン」の紹介を書いたのが最初のCPRニュース連載。
貧しい黒人少年が生まれて初めて買った本が、無実のプロボクサーの自伝。そして三生涯分の終身刑の冤罪者に、手紙を書くんだ。届くんだ。ボブ・ディランの八分半の長い歌。二十年を経て、また観たくなる。
海渡父娘が丁寧に紡いだ冊子、超絶お勧めよ。
★「人間の証明 勾留二二六日と私の生存権について」 角川歴彦
リトルモア 1200円+税
★「映画で読み解く 監獄の過去・現在・未来」 海渡雄一 海渡双葉
監獄人権センター 新宿区新宿2ー3ー16 ライオンズマンション御苑前703 八二〇円