チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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同級会Ⅱ その4

2010年04月01日 | チエの玉手箱
 シンイチと話し込んでいる所へ、きぬがやって来ました。

「あたし~、小学校の時、ず~っとシンちゃんのことが好きだったのよ。
 ねえ、気づいてた?」
「いや、知らなかったよ。そうだったのか?」
「うん、そう、すご~く好きだったの。ほんとに気づかなかった?」
「困ったなあ~」

 きぬは、どちらかというと、おとなしい女の子でした。
私たちの時代、ほとんどの女子の名前は「○○子」だったのに、彼女の名前には「子」が付いていません。
その古めかしいひらがなの名前が珍しくもあり、おしとやかな印象の彼女のことが、うらやましかったことを覚えています。
その彼女がパッチリメイクをして、少女のようにキャピキャピはしゃいでいるのを見ると、今回全く違った印象を持ったのです。

「あたし~、子供の頃は、一つ違いの姉と比べられて、出来のいいお姉ちゃんには絶対に勝てないって、いじけてたの。
 自信がなかったのよ。自分を抑えて生きてた。
 でも、お姉ちゃんが就職していなくなって、あたし、はじけちゃった!
 自分がしたいようにしていいんだって、その時、気づいたの!」

 彼女は車の運転が大好きで、東京から一人車を飛ばして、しょっちゅう帰ってきているのだといいます。
以前の彼女からは、想像もつかないことです。

 ちょっとしたきっかけで、人はこんな風に変われるのだと感心しました。
変わるというより、本来の彼女を表現することが出来たのでしょう。

 つづく