気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

運命は

2008-03-14 01:02:02 | きょうの一首
運命はしづかなる牡馬(ぼば)のかたちしてとある日の朝わがそばに立つ
(小池光 滴滴集)

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砂子屋書房から『続々小池光歌集』が出たこともあって、滴滴集を再読。いままで気がつかなかった歌に目を引かれる。
この歌は、怖い歌だ。夢という二作一連のうちの一首だが、死ぬときの「お迎え」がある朝やって来るということ、と読める。それは牡馬のかたちをしているというのは、作者の夢の出来事である。
私事であるが、義母がホスピスで亡くなる前、カウンセリングをしてくれていた人に「夢で灰色の服を来た男の子が迎えに来た」と話したそうだ。わたし自身は聞いていないが、あとで彼女に教えていただいた。本当にそんな男の子が迎えに来たのだろうか。わたし自身のときは、だれがどんな恰好で現れるのだろう。

死ぬときは枕元まで母が来て卵ごはんをひとくちくれる
(近藤かすみ)


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