気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2008-03-10 20:01:44 | 朝日歌壇
根気よく優しく猫に嫌がらせせよとの区報猫ならねど嫌
(横浜市 松山紀子)

触れゆくも触れざるもあり咲き長けし紅梅めぐり淡雪しずか
(福岡市 宮原ますみ)

「空きを待つ」その空きの意味思いけり特別養護老人ホーム
(銚子市 小山年男)

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一首目。横浜市の区報には、そんなことが書いてあるのかと妙に感心した。つい猫のところを人と入れ替えて読んでしまいそうになる。結句は、作者の心情なのだが、言いすぎの感がある。「回覧板に」とか「隣りよる来る」とかするとどうだろうか。
二首目。綺麗な歌。触れゆくもの、触れざるものが、人であるようにも読める。紅梅と雪の色の対比が美しい。
三首目。特別養護老人ホームの空きは、入居者の死を意味するのだろう。先日、70代の女性と話しをする機会があったが「85くらいまでば、なんとか家で過ごして、あとはホームのお世話になって5年くらいかな」と軽くおっしゃる。そんなものかもしれない。返事に困ってしまった。

ホームとは家庭とふ意味その人の住みよきホームであれよと願ふ
(近藤かすみ)


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