気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

梅干

2007-05-23 23:10:14 | おいしい歌
人の世の勝ち負けなどは梅干とらつきようの差ぞとシーツを干しぬ
(栗木京子 虹の力 短歌研究6月号)

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梅干とらっきょうとシーツという日常的な素材で、人生の深遠を詠んだ歌。
わたしも相当負けず嫌いの性格だが、いつの間に世の中はこんなに勝ち負けを言うようになったのだろう。自嘲気味に、私は負け組とか負け犬とか言ってみると、楽になるのだろうか。人それぞれで、負けるが勝ちというんだけどね。
いま読んでいる本は、『「性愛」格差論』斎藤環+酒井順子(中公新書ラクレ)。短歌関係の本を読もうと思いつつ、気分転換に新書を読むのが好きだ。