気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

逆らはない

2007-05-04 22:56:10 | つれづれ
ペット・ボトルで爽健美茶の喇叭飲み「逆らはない」のが僕の戦略

美しい詩だと一生を思つてみる藁灰(わらばひ)になつたあとでも麦だ

中食がこのごろはやる。家でとるデパ地下で買つた銀むつ弁当

性愛ニスベテヲ盗(ト)ラレ生キタリトイツテイヘナイコトハナイケド

風呂敷に包み終へたる感傷の来てゐつひとつ会結び来て

(岡井隆 家常茶飯 砂子屋書房)

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ゴールデンウィークも八割方終った感じ。昼間は夏が来たかと思うほど暑くなる。また京都は観光客が多くて、繁華街は人でいっぱいだ。

岡井隆の歌集を読みすすむ。Ⅱ章は、妹さんの死が大きな核となっている。兄弟姉妹というのは、おとなになると配偶者との縁の方が強くなるので、どんな暮らしをして何を考えているのか、知っているようで知らないのかもしれない。ひとりっ子のわたしにはいづれにしてもわからない話であるが。
あちこちで岡井さんを中心に開かれていた歌会がいくつか終った。朗読の試みがいくつもなされた。このあたりの事情は栞を読むとわかる。栞の執筆者が多彩だ。お医者様でもあるから、ご自分の体調はよくわかって無理をなさらないのだろう。逆らわないのが戦略らしいから。