気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

若夏記 今野寿美

2005-07-24 23:55:08 | つれづれ
若夏の水がにほへばわたすげの風にしたがふこころゆかしも

ひつじぐさ咲くひるさがりたゆたへる夢とうつつとうつつと夢と

なにもかもあそびであつて日が暮れて与へし氷菓の棒のみ残る

うつむくほかなくて咲く花むらさきの罌粟の寡黙を愛せりいまも

昼さがりの耳にここちよき馬の名の長さよ春の夢みてをりぬ

(今野寿美 若夏記)

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某古書店で買ったものの、読んでいなかった歌集を読み始める。
女らしく、繊細で端正な歌の数々。
遊び紙にはご本人の字で「若夏の・・」の歌が書いてある。またその字が繊細で美しい。