気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

花眼の記 道浦母都子

2005-07-09 19:48:02 | つれづれ
水陽炎めぐりにあふれ草苑のベンチはしまし春の揺籃

つくづくと読めばわが歌嘆き歌 うたはたましい落下する井戸

菜の花のはじけるようにぽくぽくと永井陽子は死んでしまえり

うつくしく闇はひらきて湧水の気泡のごとき蛍火ともす

入浴も着替えも忘れ眠りたり夢のなか咲く破れ水仙

(道浦母都子 花眼の記 本阿弥書店)

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図書館で見つけた道浦母都子の本を読む。歌日記ということで、2003年の一年間の日記と歌。