気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

花眼の記 道浦母都子

2005-07-09 19:48:02 | つれづれ
水陽炎めぐりにあふれ草苑のベンチはしまし春の揺籃

つくづくと読めばわが歌嘆き歌 うたはたましい落下する井戸

菜の花のはじけるようにぽくぽくと永井陽子は死んでしまえり

うつくしく闇はひらきて湧水の気泡のごとき蛍火ともす

入浴も着替えも忘れ眠りたり夢のなか咲く破れ水仙

(道浦母都子 花眼の記 本阿弥書店)

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図書館で見つけた道浦母都子の本を読む。歌日記ということで、2003年の一年間の日記と歌。

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2 コメント

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花眼の記に思う (上村霞)
2005-07-12 09:16:43
かすみさんお久しぶりです。日々のご精進に頭が下がります。

道浦母歌人には以前、TV画面の短歌教室で一,二度拝顔しましたが、お歌を読ませて頂くのは初めてです。久方ぶりに無理なく寄り添えるお歌に出会いました。表現の創造性と韻律との融合の大切さを教えられた思いです。花眼の記のご案内ありがとう。
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無援の抒情 (かすみ)
2005-07-12 19:02:30
上村霞さん こんばんは。

以前、京都精華大学の講座で道浦母都子のお話を聞いたことがあります。歌集「無援の抒情」は、サラダ記念日以前の最大の歌集ベストセラーとして有名だそうです。岩波現代文庫に入っているので、手に入りやすい本です。「生きていれば意志は後から従きくると思いぬ冬の橋渡りつつ」私は、この歌がすきです。
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