ぶんちゃん日記

最北の、何もない静かな山奥「ぶんちゃんの里」のオーナーの交流日記です!

今朝

2022-09-12 19:53:09 | Weblog
 午前4時45分、いつものように勝手口から外に出る。
春から続けている夏期間の私たちの出勤時間だ。どんよりとした曇り空、珍しく今朝の気温は高い。
「いつものように、何事もなく牛たちは朝をむかえただろうか~」と心の中で心配をしながら100㍍の出勤距離を歩く。
こんな朝の想いを何十年も続けてきた。
生き物相手の仕事・・・前日の6時から次ぎの日の朝の間の10時間の空白の時間の気がかりなのだろう~~。
シャッターを開けて異変がないことの安堵感はいつの時も変わらない。

 しかし・・・今朝の気持ちは何事もない牛舎の雰囲気とは違って、かなり複雑な心境であることは間違いない。
それは、私たちが酪農経営を卒業するがゆえに、乳牛としての役目を終えなければならない牛が3頭いることだ。その3頭を送り出す日でも
あったからだ。
授精してもなかなか受胎してくれない1045番、まだ35㌔の乳量を出してくれているのに足が弱いために役目を終えされられる1038番、
そして・・生まれたときから蹄付近が変形している1120番・・。これまで4産、5産の分娩しているベテランだ。
経営を続けていれば、まだまだ働いてくれていたのに・・・と悔しく申し訳ない気持ちでいっぱいであつた。

 経済動物であることは分かっていても・・・この5〇数年間で何度もなんども繰り返して経験してきたことではあるが、今朝に限って悲しく辛い
気持ちになる。
そして・・・迎えの車がやってくる時間になった。
3頭の牛たちには、どこにつれられているかは何もつたえていない。
その為か迎えの車には抵抗する事もなくすんなりとのってくれた。
私たちも出発前に最後の写真を撮った。

                           

                             

                                      

 1昨日から私たちの姿をユーチューブの動画を撮りたいと札幌からお越しいただいた方に密着されている。
色々な事を聞かれても所々で涙声えになってしまって申し訳ない気持ちになる。
それでも私たちは率直な気持ちを語っている。

 タンタンと車に乗ってくれた3頭さん。どんなきもちなんだろう~~と想ってみたものの・・・。
このまま旭川まで車に揺られていくことになる。車の中でがっちりとロープに繋がれ・・・「イヤだったら戻っておいで・・」と心でつぶやいてみたものの・・「まぼろし」に
過ぎない。
明日の今頃は・・人間の命に生まれ変わる道を進んでいくことになっているであろう~~。
「命や食べ物を大切にする人間の中で生き続けてほしい」と願った。

                                
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 豊寒別神社祭 | トップ | 2人だけの卒業式 その1 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事