誰しも「寝たきり」の状態での日常生活は希望しないであろう。私自身、歳を重ねる度に考えることがある。
それは、ありえないことかも知れないがに人生の最期まで元気でいたいと思うことである。誰しもがそうかも知れない。
私自身、良く言ってきたことがある。それは、老いて体が不自由になったときに近代設備が整い、専門知識の持った
人達に介護が受けられる「介護施設」などへの入居することこそが本人にとって幸せなことはないと・・。
とりわけ家族経営でおこなう農業者などの場合はとても必要なことだとも・・。
私には満91才になる母親がいる。同居している。
つい最近から「寝たきり」の生活になった。先月から病院に入院中だ。
昨秋からトイレに行くことも出来なくなり、ベットのそばの簡易で用を足してきた。しかし、腰足に激痛がはしりだし、立つ
ことも容易ではなくなり、痛みを和らげるために病院生活になっていた。頭はいたって元気なのだが・・。
懸命なるリハビリも限界に達したようで回復は困難になった。
ここ数日間、関係者の方々との今後の生活のあり方を丁重に相談を受けてきた。
これまでの家庭内での介護は、全面的に妻に依存していた。私が抱えて立ち上がらせたときは数えるほどしかなかった。
ケアマネージャの指導を受け、介護施設への入居申し込みを決めるとき複雑な心境になった。
その立場になると普段に思っていた心境と全く違う気持ちになることを知った。
母は数年前から、デイサービスセンターに週2回行っていた。玄関先までの送り迎え。母のどんなわがままな言葉にも
優しく耳を傾けお世話してくれる介護の人達に、たとえ仕事とはいえ、感謝の気持ちで一杯でいた。
私なんか面倒見るよりもどれほど幸せな事かと…。
こんな人達の介護を今後も受けられることは・・・と思うとき安堵の気持ちが脳裏をかすめる。
妻にも負担をかけないように、私どもに出来る事をやれば…と。
「貴方がもっとがんばらなくては・・」と妻に言われそうだ。 全くその通りだが・・「俺にはできね~~よ」と口を返
しそうだ。