道草、より道、まち歩き。

思いつくまま 気の向くまま、街をぶらぶら歩いています。
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しがみつかない生き方

2009年09月04日 23時45分25秒 | 本と雑誌
Shigami先日、目についた新聞広告。
精神科医/香山リカの「しがみつかない生き方 -『ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール-』

本屋に行くと平積みされているビジネス本の一種かと思い、見出しを見ていると23万部突破! 日本人の心を振るわす新・幸福論。 一億円稼ぐより、仕事で全世界から賞賛されるより、深く満たされた人生が、ここにある!

うわ~なんだか大それた美辞麗句が並ぶな~と思ったが、その10のルールがまた面白い。

1、恋愛に全てを捧げない
2、自慢・自己PRをしない
3、すぐに白黒つけない
4、老・病・死で落ち込まない
5、すぐに水に流さない
6、仕事に夢を求めない
7、子供にしがみつかない
8、お金にしがみつかない
9、生まれた意味を問わない
10、〈勝間和代〉を目指さない

病に落ち込まないというのはなかなか難しいかも。なんて思ったが、あんまり頑張ってこないで、出世コースからも早くから逸脱している私にはどれも実感できるタイトルだ。

中でも10個目の〈勝間和代〉を目指さないというのは素晴らしく、目を惹いた。
ビジネス本はあまり読むことは少ないが、当時何を考えていたのか忘れてしまったが「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだとき、全然共感できなくて、すぐに古本屋に売りに行った。

勝間和代はテレビのコメンテーターで、本もベストセラーに何冊も連ねるほどなので、どんなものかと書店でめくってみたが、確かに彼女は外資の金融会社に入り、経営コンサルタントを開業、著作は累計200万部にもなるという大成功者、勝ち組ということだろうが、どれだけのビジネスマンが彼女を真似できるだろう。
当然本を買う人は成功の秘訣が知りたくて買っているのだろうが、こういう本を読んで成功したって人はどれだけいるのだろう。

プロ野球監督の本を読んで仕事に活かそうというのもアホらしいが、本を読んで人を動かせたり、仕事の効率が上がったら苦労はしない。
ハナから出来る人間は自分で工夫し考えて能率を上げたり、新しい発想で製品開発をしたり、人間関係を築いたりしているものだと思う。それが自分でできずに本に頼る人が10万人単位でいるってことか。

勝間和代氏は3人の娘さんを育て、きっとすごい年収を稼いでいるのだろうが、2度の離婚もしている。結婚を重要と考えなければどうってことはないかもしれないけれど、普通に花を育てたり、夫婦で旅行に行ったり、音楽を聴いたりちょっとした事で幸せを感じることができるのだから、無理して〈勝間和代〉を目指さなくても身の丈にあった生活をする生き方もある。

経済学者やちょっと稼ぎが多い人間は誰もが成功できると思っているのか、一般庶民に夢を見させて本を買わせてまた稼ごうとしているのか、竹中平蔵にしても優しさがないと思う。

と色々考えているうちに、この本を買おうという気も失せてしまった。
見出しを読んだだけで、書店でざっと見れば大体言おうとしていることは理解できるような気がしてきた。

コメント (4)
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