南無煩悩大菩薩

今日是好日也

時々には猫の態度と視点で世の中を見直してみる

2017-06-30 | 古今北東西南の切抜
(photo/original unknown)

世の中には、特定の分野の人を過大評価しがちな人がいる。

特定の分野には、概ね3タイプあって、それぞれ「政治家」、「作家・研究者」、「起業家・経営者」だ。

(1)一人の人間としては妙に体力のある目立ちたがり屋という程度の人物に過ぎないのに、大臣・国会議員といった肩書きを持つ政治家を妙に有り難がる人、
(2)単に働くのが嫌いで凝り性だっただけの変人である作家や大学教授に、深遠な知性や精神性を見ようとする人、
(3)ただ運が良くて我の強い自己承認願望が強いお金持ちを、「成功者」として崇めて社会的にも立派な人であるかのように思い込む人、

などだ。

人の好みは多様であっていいので、いちいちケチをつけるのは余計なお節介なのかも知れないが、それぞれについて時々は、「全面的にたいした人間ではない『変わっているけど、普通の人』なのだな」と思うくらいの見直しをする方が、世間をスッキリ理解できて、誤解による損失(政治家に入れ込むとか、ツマラナイ会社に投資するとか)を避けることができるようになる。

-切抜/山崎 元「現代ビジネス」より-

ウサギとカメの話

2017-06-27 | 世界の写窓から
(picture/source)

速いか遅いかについてウサギとカメを比べても正当な知見は得られないでしょう。

亀は海を泳ぎ回って生きています。兎は野を駆け回って生きています。

食性についても競合するようなことはありませんし、天敵や捕食者から逃れるすべもそれぞれです。

したがってそれぞれのその速度には比較する基準も意味も見いだし得ないのですが、私たちはつい「比較」をして優劣を判断しようとします。

人についても私たちは、個人内比較よりも個人間比較をしてしまいがちで、それが判断を狂わせます。

つまりその個人ではなく個性の違う別の人物と比較して判断してしまいがちなのです。

この話に限っては、兎も亀も勝った負けたは全く気にしなくていいのです。

感謝の力

2017-06-20 | 世界の写窓から
(picture/source)

私たちは気に入ったものを誉め、自分が誉めるものが気に入るのです。

口には出さずともなるべく多くのものごとを、なるべく「ありがとう」と誉める。

そうすれば自然と感謝の力は無意識のうちに沁み込みます。

いつもご機嫌でいるためにはどうしてもこの感謝の力を使う必要があるのです。

なかなか馬鹿にできない

2017-06-19 | 世界の写窓から
(gif/original unknown)

マーフィーの法則によれば、

“物事をどんな馬鹿にでも扱えるようにするのは不可能である。なぜなら馬鹿は独創性に富んでいるからだ。”

ということだ。また出典不明ながら、

“馬鹿を馬鹿にする態度をとってはいけない。どんなに馬鹿な人間でもそれだけは瞬時に理解するのだ。”

ともいわれる。

つまり私が馬鹿ならその馬鹿が馬鹿にする相手とは馬鹿ではなくおそらくおおらかで独創的な人間、かもしれないわけである。

それはそれ、これはこれ。

2017-06-15 | 壹弍の賛詩悟録句樂帳。

‘ 痛いのも痛いが、綺麗なのも綺麗じゃ ’

「ガラス玉に金魚を十ばかり入れて机の上に置いてある。余 は痛みをこらえながら病床からつくづくと見て居る」時の正岡子規の手記である。

この感得はかなりの「男前」でないとできるものではない。

私でも例えば、

「自転車でコテンパンに転んだあと、真っ青空に真っ白雲を見て居る」時とか、

「木から落ちて骨折しながら、ぼんぼり提灯の朱の列に幻妖と浮かび散る夜櫻を見て居る」時とかに、

‘ 痛いのも痛いが、綺麗なのも綺麗じゃ ’と言うことができるような男になりたいと思うのである。

おとなのよろこび

2017-06-06 | 古今北東西南の切抜
source/Taiichi Ohno)

「おれをビックリさせてみろ」大野(耐一)が部下に行った言葉はそれだ。

自分が言った通りのことを部下がやると「なぜ言われた通りにやったのか」と問い、違うことをやると「なぜ言われた通りにやらなかったのか」と問うた。

常に考えることを求め、決して誉めることはなかった。

「誉めるという行為は相手を馬鹿にしている」と大野は言った。

自分ができることを、お前にしてはよくやった、と思うから誉めるのだと。

では、自分ができないことをやったらどうするのかと問うと、

「その時は誉めるより、びっくりする」。

-切抜/日経ビジネス 2017.5,29より-

人間万事塞翁が馬

2017-06-05 | 壹弍の賛詩悟録句樂帳。
(illustration/Fujio Akatsuka)

「イスラム帝国夜話」にこんな話が出てくる。

ある男がいた。その男は知人縁者たちからの多くの推薦状を携えある国の宰相に仕官先の紹介を頼みにいく。

しかし時の宰相はけんもほろろ取りつく島もなく、おまけにコテンパンに侮辱までされる有様となった。

宰相の面罵が終わると男は少しの間考えたあと、笑みさえ浮かべて丁寧な謝辞を述べ辞去しようとする。

宰相は、こんな最悪な仕打ちに対してさえ感謝されるのは何故かと気になり、呼び止め尋ねると男はこう答えた。

「しかるべき理由があってこそ、私は閣下に感謝申し上げているのです。
と言いますのも、閣下が私の事についてどのように考えておいでになるのか、最初の出会いで正直に御本心をみせて下さりました。
そのお蔭で、私は就職を願うあまりに屈辱の頭を下げる、そうした辛い事をせずに済みましたし、閣下のところに夜討ち朝駆けをするという苦労をしなくてもよいようになりました。また閣下への執り成しを頼んだ人たちへの機嫌取りもしなくて済むことになりました。まことにありがとうございました」。