南無煩悩大菩薩

今日是好日也

祈り、願う。

2016-04-27 | 古今北東西南の切抜
(photo/source)

・・死の恐怖を征服するもっともよい方法は、(少なくとも私にはそう思われるのだが)諸君の関心を次第に広汎かつ非個人的にしていって、ついには自我の壁が少しずつ縮小して、諸君の生命が次第に宇宙の生命に没入するようにすることである。

個人的人間存在は、河のようなものであろう。最初は小さく、狭い土手の間を流れ、激しい勢いで丸石をよぎり、滝を越えて進む。次第に河幅は広がり、土手は後退して水はしだいに静かに流れるようになり、ついにはいつのまにか海の中に没入して、苦痛もなくその個人的存在を失う。

老年になってこのように人生を見られる人は、彼の気にかけはぐくむ事物が存在し続けるのだから、死の恐怖に苦しまないだろう。そして生命力の減退とともに物憂さが増すならば、休息の考えは退けるべきものではないだろう。

私は、他人が私のもはやできないことをやりつつあるのを知り、可能な限りのことはやったという考えに満足して、仕事をしながら死にたいものである 。
-バートランド・ラッセル「Portraits from Memory and Other Essays, 1956」-

余裕の僅差

2016-04-20 | 世界の写窓から
(win by a hair/racehorse:original unknown)

“勝つのは一点差でいい。五点も十点も大差をつけて勝つ必要はない。常にギリギリの勝ちを目ざしているほうがむしろ確実性が高くなると思っている。” -羽生善治「決断力」より-

たとえ実力に差があったとしても僅差を目指すことで、駆け引きの妙を体得していくということなのでしょう。

命を敬慕するとき

2016-04-17 | 意匠芸術美術音楽
(GIF source/The deep-sea flapjack octopus)

Zbigniew Preisner - Life After Life.


・・全生涯を支配する、おぞましい限りのしがらみのあれこれが立ち消えに消えてゆき、

天涯孤独の身という言い回しが不正確なものであると理会され、

嘆息の中に生まれくる、くたびれた希望でさえも、心慰む笑声に匹敵すると思い・・

・・不安定な生に安定した意味を授け・・

・・のべつ流動している万物を包括し、消えがたい印象を与え続ける命は・・

・・ごく自然な成り行きとして、美しく生き、幸福に死んだという至上の答えを導き出す・・。

-丸山健二「生きる命」より-

船長の意思決定

2016-04-07 | 世界の写窓から
(picture/StarTrek)

優れた意思決定とは、スタートレックのカーク船長とミスター・スポックとの間に働く力学に少し似ているのかもしれない。

ばかばかしいほど成功確率が低いことを長々と唱えるスポックを横に置いたまま、カークは自信満々で前に突き進むのである。