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三谷幸喜監督の映画『THE 有頂天ホテル』には次のようなシーンがある。
その高級ホテルはその人で持っているといわれる副支配人がいる、レストランから緊急対応の相談連絡が入り現場に行く、そこでは若い男性が彼女に料理をよそおっているがその皿は灰皿であった。‘どうしましょう、それとなく知らせた方がいいでしょうか’という部下に彼はちょっと考えてこう答える。
‘恥をかかせてはいけない、それとなく全てのテーブルにある灰皿を新しい形のものと至急取り替えなさい、他のお客様が一服しようとする前に’
又、伊丹十三監督の映画『ミンボーの女』ではこんなシーンがあった。
高級ホテルがある危機を打開するための新たな部署を新設することになった、そのリーダーとして責任感とやる気がありこのホテルに貢献する意欲のある者を募った。大多数が名乗りを上げた、しかし部署が「対暴力団対策チーム」だとわかると全員が引き下がってしまう。
暫くして「もし私でよければ」と二人が名乗りでる。一人はすべてのお客様の顔と名を覚えている「鉄壁のドアマン」もう一人はホテルの顔にもなっている「最上の笑顔を持つベルボーイ」であり、外すことの出来ない優秀な人間達であった。
これらのシーンを思い出したのは、一流、本物といわれる人たちは総じて意思決定のベクトルとレベルが本物・一流なのだろうと思えたからである。