南無煩悩大菩薩

今日是好日也

コペルニクス的転回的の的

2019-03-17 | 古今北東西南の切抜
(gif/source)

‘コペルニクスから、われわれは近代社会へと入りはじめるが、その結果、不安と困惑にさいなまれることになる。異なるが関連しあう仕方で、コペルニクスの革命は思考を変革した。

(ⅰ)物理学上、これまで不動の中心であった地球が太陽のまわりを回っていることが示された。コペルニクスによって、しかしより根本的にはブルーノとガリレオによって、中世の世界観である、閉じられた有意味な宇宙は、無限にして潜在的に無意味な宇宙へと開かれはじめた。パスカルがその次の世紀に記したように、「無限空間の永遠の沈黙が私を恐怖で満たす」のである。

(ⅱ)形而上学上、コペルニクスの革命は、変化し続ける世界の中にある不動点としての神から立ち去り、自己へと転回することである。しかしこの自己は勝ち誇った個人ではなく、むしろパスカルが感じたような不安をとおして姿をあらわす何かである。すべてのものを懐疑に投げ入れ、確実性の探求に乗り出すことでのみ、この自己は己そのものになるのである。この自己は与えられておらず、むしろ未知なるもののひとつである。’

-source/Simon Critchley [The Book of Dead Philosophers]

自己、つまりあなたやわたしの思考が変革し今後180度転回した場合、魅惑的かつ寓話的な甘美を伴うかもしれないが、否定的かつ断罪的な関所が立ちはだかるということは容易に想像できる。

ただ帰結がどうあれ、すでに起こった思考の変革は非可逆的なものである、あなたやわたしは言えるだろうか、かってガリレオが身の危険から表面上地動説を撤回した後に言ったように。

‘それでも地球は回っている。’

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