鹿。ときたらもみじ。
その流れで行くと、猪にはぼたん、馬にさくら。
春にさくら、夏にぼたん、秋もみじ。
冬に鍋。牛豚鶏鮟鱇にてっちり、すきにかも。
鍋物が美味い季節になりました。
母さんが夜なべをして手袋あんでくれた、木枯らし吹いちゃ冷たかろうて、せっせと編んだだよ、ふるさとの便りは届く、囲炉裏のにおいがした。-母さんのうた-
そんなフレーズを頭の中で繰り返しながら、熱燗をキュっとひっかけると、その向こで鍋がグツグツ。よろしいなぁ。
人は美を愛でるのにも、腹が減っては戦が出来ない。
なんだか、蟹鍋が食いたくなったが、路銀が足りない。
もみじ食む鹿の様見て、我泣きながら蟹とたわむる。