掛井酒店

純米酒(日本酒)の話題を中心に、ドイツビールやワインなどの入荷情報、日々の出来事を発信します。

花巴 24BY入荷

2013-01-28 22:06:43 | 商品紹介
先日桜や杉で有名な、奈良県吉野町の蔵元:美吉野酒造(銘柄:花巴)から今年度(24BY)醸造された、お酒が入荷致しました。
今回入荷したのは、水モト酵母無添加純米にごりと速醸酵母添加純米うすにごりの2アイテムです。
「水モト」のお酒のは、昨年11月に美吉野酒造さんにお伺いした際モト造りが行われている最中で(ブログにも掲載)こちらをクリック それを使用し造られたお酒です。

花巴 直汲 水もと純米にごり 無濾過生原酒原料米:きぬひかり・ひのひかり(奈良県産) 精米歩合:70% 
日本酒度:-12.0 酸度:3.2 アルコール度数:16.4% 
使用酵母:無添加小売価格 ¥2,940本商品は、「水もと」という個性的な酒母造り(水もとの説明:上のブログにも掲載と書いたところをクリックしてご参照下さい)を行い、木桶で仕込まれたお酒です。
その為か、とても複雑な旨味と、甘味・力強い酸味を感じます。また発酵中の醪が入っており、いわゆる活性タイプのにごり酒です。キャップには、醗酵時に発生する炭酸ガスが抜ける穴が開いていますので、キャップが飛んだり吹きこぼれたりする事は有りませんが、状況によっては吹く可能性も無い訳ではないので、開栓は慎重に行って下さい。
味わいは、きりりとしたシャープな酸味と、活き活きとした炭酸ガスをの影響で、日本酒度-12にも拘らず甘味を強く感じる事は無く、返ってドライな印象です。
燗にすると、おり由来の優しい味わいの広がり、その後更に明確になった酸味がぐっーと押し寄せてくる感じです。

以下、蔵元様の本商品の説明
このお酒は本来1番最初に搾る予定のお酒でしたが、醪日数が49日となりこの時期まで伸びてしまいお待たせいたしました。醪の醗酵が止まっているのであれば、すぐにでも搾ることがが出来たのですが、ほんの少しづつ切れており、ゆっくりとじらされ我慢比べのような酒造りでした。
原因としては、もともとの酒母の製造工程で「そやし」の酸が確りと出ており酵母の増殖がなかなか難しい中で、28度ぐらいの温度で湧き付かしており、その環境に適した酵母が勝ち残るか、正確形成がなされます。
今年は醪の段階で外気温が5度前後となっており環境の激変に戸惑ったと思われます。
その中でも酵母自体はたくましく、異なった環境でも死滅することなく生存可能で在った為であろうと考えています。「水モト」は、もともと温かい季節の造りですので、その環境下で力を発揮する製法であると実感致しました。しかしながら低温で醗酵したものの、乳酸飲料的な雰囲気で個性的な香味が特徴の酒質で、久しぶりに個性を楽しめる「水モト」ができたように思います。やはり、そやし水は臭い方が良いと確信しました!

花巴 弓絃葉 純米吟醸にごり 無濾過生原酒原料米:ひとごこち(長野県産) 精米歩合:56% 日本酒度:+4.0 
酸度:2.0 アルコール度数:16度以上17度未満 使用酵母:協会601号
小売価格¥2,835本商品弓絃葉(ゆずりは)シリーズは、酵母添加のお酒のシリーズです。こちらは協会601号(6号の泡なし酵母)で醸されたお酒です。
多くの蔵元では、酵母添加のお酒がほとんどの造りのパーセンテージを占めていますが、こちらの蔵元では酵母無添加(蔵付酵母)で醸されるお酒も沢山有り、こういった名前付ける事で酵母添加の商品と無添加の商品を別けています。
このお酒は一見大人しめの印象ですが、心地よい酸が利いていてふんわりとしたお米由来の風味と滓の旨味が広がり、切れのよい程よい旨味の飲み飽きしないお酒に成っています。

先にご紹介の、水もとの重厚で複雑さを楽しめる「にごり」と、きりりとシャープで爽やかな味わいの「うすにごり」ある意味対照的な味わいです。
是非、お楽しみいただければ幸いに存じます。

来月になると、水もとはにごりではない通常の純米無濾過生原酒(木桶仕込)が入荷予定です。合わせてこちらも宜しくお願い致します。