百聞は一見にしかず

法事。

一年、三年、七年と、一族のものが、集う。
酒を酌み交わして、昔話に、花を咲かす。

風の便りで、いいこと、わるいこと、聴くのだけれど、顔を合わせて、話してみると、ほとんどのことは氷解する。
氷解しないまでも、解決に向けての智慧が、お互いのなかから浮かびあがってくる。

顔を合わすのは、いいことだ。

方法さえ間違わなければ、お互いのエネルギーが、いい方向へ収束するようにできているのかもしれない。


住友財閥の二代目総理事、伊庭貞剛。

住友の別子銅山で、劣悪な労働環境などから、暴動が起きる。
そこへ、派遣された彼は、山のふもとに小屋を建て、そこへ寝起きする。
そして、毎朝、夕、山へ、工夫たちと挨拶をかわしながら登る。

何ヶ月かの間、彼のしたことは、それだけ。

暴動は収束し、山に活気が戻る。

今日の法事。
お経の後、和尚さんのお話。

曹洞宗。
修業中、永平寺の師に、言われた、
本を読むな、体を動かせ！と。

頭を使うな、体を使え!、かな。