義弟

昨夜、府中病院で、義弟、逝去。

霊安室で、ご苦労様でした、と声をかけた。

瞬間瞬間の思い出が、フラッシュバックのように、浮かんでくる。

わが子どもたちも、大変に、お世話になりました。

冥府への枕元で、ありがとうございました、と何回も、つぶやいていた。

肝臓の機能低下により、こちら側と別れることになった。

いつか、安全パトロールのバスの中で、義弟の話をしていたら、前に座っていた敏腕営業マンのかたが、営業のストレスについて、さもありなん、という風情で、うなづいてくれたっけ。

その彼は、半年以上前に、全身のガンで、冥途へ旅立っている。

義弟は、過度のお酒を飲み、肝臓を壊し、なにから、わが身を守ろうとしていたのか。

弱くてもいいのに、みっともなくてもいいのに。

ほんと、おとこって、見栄っ張りで、不器用なんだから。

死に化粧をした彼に、こちらのことはもういいから、道を間違えないでね、と伝えた。

ご冥福を祈る。