夕べは、田中会と銘打たれた、どうだろう、10年にはならないか。
長く続いている会で。
もともとが、どんな馴れ初めだったのか、忘れたけど。
指先で、数ミクロンの違いのわかる御仁を、頭目とした宴、しかも、芸者衆の踊りもプラス。
というもので。
年に4回くらいになるのか。
表題のような、伝統芸能を守る、というのも、ついでの、と言ったら申し訳ないけれど。
目的の一つには入っている次第で。
つまり、芸者衆の芸事含めたなりとたち、姿形をこの地に留め、くらいか。
なんだけど、まさに、表題のごとくで、芸能には、心、思い、考え方、などなどがあってこその。
ということで。
踊りとか三味線とかだけで、なりたっているわけでもなくね。
そもそも、芸者衆というもの発祥の理由、原因、きっかけ、というものは、知らないけれど。
芸能というのは、神事ではあったわけだ。
つまり、神との成婚、とでも言えるか。
供物、供犠とかにまで繋がりそうな話だけど。
神に捧げる、捧げることで、感謝をあらわすのか、願いを聞き届けてね、ということなのか。
そうそう、そう言ったことはともかく、夕べは、芸者衆のお一人が。
実はですね、と、この度結婚することになりまして、の発表会の場にもなった次第で。
半玉から一本立ちしたばかりで、これから本格的に、という時期に、寿退社。
ってわけだ。
めでたい。
のだけれど、少々、複雑な思いも去来するんだよね。
知り合いの理美容店から、一本立ちしていく職人さん、というイメージとも被り。
わが業界で言えば、年季が開けて独立、というのにも似て。
なかなか、働き方改革、という空疎な、いや、失礼、お為ごかしな、いや、これも失礼。
じゃ、なんて形容したらいいのか。
ま、そんな具合の改革話にも通じ。
そもそも、働くってなに?どゆこと?って。
芸者衆の結婚、ってのは、今までにも数多く、あったんだろうし。
女と生まれたからには、結婚して子供を産んで、それが女の幸せ、みたいな言説は。
街にも村にも、当たり前のように溢れかえり、その反対側に。
キャリアウーマン、みたいな横文字も散見され、って時代風潮。
の中、花柳界では、身請け、みたいな言葉も残っていて、つまり。
どこかの旦那に身を引かれる、というね。
そんなことは、実のところ、密やかに語られることで、発表します、みたいな、お天道様の下での話。
ではなく、というね、隠微な世界、でもあるわけで。
そんな時代の価値観が、とうの昔になくなっている、とすると、文部省唱歌のような。
明るい話に切り替えざるを得ず、だって、今だと、マスコミの餌食だよね。
なんてことにまで行き着いちゃいそうだけど。
いずれにしても、そんなわけで、めでたさも中くらいなりおらが春、くらいか。
だからね、そんな隠微な世界なんては、この世から一切無くしちゃえばいいんだよ、なんてひと頃流行った。
ウーマンリブのような。
そんな物言いも起こりそうだけど、反面、明るさは滅びのしるし、と言ったのは。
太宰治だっけ。
朝から、わけわからないところまで、行っちゃいそうだな。
なので、そろそろ、ルーティンに入ります。