まわりで起こっていること

since2004.12「糠漬け初心者」

BOOK(ぶっく)

2005年12月25日 | Weblog
そんなもの、ぶっくじぃちまえ、と縁側から叫ぶ、妻のオヤジ。

毎年の、大晦日の、大掃除の恒例行事。

若い衆もおおぜい使っていた、家具の塗師職人の親方だったオヤジさん。

以来、オヤジのことを、子どもたちは、BOOK、BOOK、とひそかに、よぶようになった、と。

ずっと、オヤジさん、気が短い人だったんだな、思っていたけれど、本日、我が家の物置、片付けながら、気がついた。

ある瞬間、なにかが、おおいかぶさってくるんだよね、と。

大掃除は、なにかを、捨てる、ということだけど、モノを捨てながら、思い出も一緒に捨ててゆくんだよね。

哀しいかな、その時代がそうでなければ、オレは幸せだったのに、と思いながらも、その時代の思い出に、浸っていたい、という願望。

思い出を、引っぺがすように、縁側から投げているうちに、BOOKは、激情にかられたんだろうな。

遊び人の、笛吹きの名手の父のこと、亭主不在で、男まさりに仕事をしていた母のこと、そのなかで、翻弄されていた自分自身の青春。

捨てるモノに積み重なった、思い・思い・思い。

遠い、顔も知らない、ご先祖様の思い、祖父の代の、父の代の、そして、かれらのかさのなかの自分の思い。

昔の女性は、むしゃくしゃしたとき、お針箱を整理した、と、どこかで読んだけれど、整理整頓って、ことのほか、大事なことだな、と歳の瀬に思う。








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