土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

西洋と東洋の架け橋イスタンブル(2/4新市街)

2012-08-28 11:10:05 | Istanbul & Azerbaijan
 前回ご説明しましたようにイスタンブルはボスポラス海峡

 によって西側のヨーロッパ側と東側のアジア側とに分かれます。 

 ヨーロッパ側の旧市街と新市街との境界は「金角湾」であり、

 その両方をつなぐ架け橋が「ガラタ橋」です。(他にも架橋はあります)

 新市街からガラタ橋越しにみる旧市街のジャーミー群

 旧市街からガラタ橋越しにみる新市街のガラタ塔やビル群

 どちらも東西の交易点として栄えたイスタンブルを反映しています。



 ガラタ橋(金角湾)左岸(新市街側)から丘を登りタクシム広場までの地域が

 観光客にとって、一般的に言われている新市街です。

 ガラタ橋から坂道をケーブルカーで登り、そこから

 新市街の目抜き通りのイスティクラール通りをさらに登り

 その登りつめた所がタクシム広場です。

 イスティクラール通りは歩行者天国で、今でもアンティークな

 路面電車が走っています。

 
 
 タクシム広場周りはバス、タクシー、地下鉄等の要所で、

 また世界でも有名なホテルやそこには市民の憩いの泉水公園

 (タクシム公園)が有り観光客や地元市民で終日にぎわっています。


 タクシム広場からボスポラス海峡へはケーブルカー(=フニキュレル)で下りて行き、

 そこが旧市街へ行く路面電車=トラムヴァイの始終点カバタシュ駅であり 

 ここからボスポラス海岸沿いをガラタ橋経由で行けます。

 
 今回の訪問で、ガラタ塔のナイトクラブでベリーダンスを見ました。

 南米でサンバやタンゴを見ていますので、感激は今一歩でした。

 ヒジャブ(顔のスカーフ)をしていない女性が肌を露出して

 腰をくねらせて踊るこのダンスが、イスラム圏では珍しくて

 このように残ったのではないかと想像しています。(違っているかもしれません。)

 
 また、友人の紹介でボスポラス海峡の下の海底トンネルの工事現場を見せて

 頂きました。トンネル延長13.6km、4つの駅舎があり、世界でも最難関のPJを

 日本の技術陣が日夜休みなく精進されている様子を垣間見て胸に打たれる思いでした。

 あと数年で海底トンネルは開通と聞きました。安全第一で世界一の難関PJを成就されん

 ことをお祈り申し上げます。



 それでは新旧市街の架け橋のガラタ橋から新市街へ出発します。



 赤線で囲んだ部分が新市街でも観光客が特に多い場所です。
 南側のガラタ橋から丘の上にあるタクシム広場までの区域です。

 旧市街のシュレイマニエ・ジャーミーから新市街を見ています。

 新市街のランドマーク「ガラタ塔」です。
 高さは67mあります。9階部分にナイトクラブがあり、そこが展望台になっています。

 旧市街からガラタ橋とボスポラス海峡を見ています。

 橋の中央部がアーチ橋になっており船舶の通行が可能です。

 歩道部分は太公望たちの憩いの場です。旧市街→新市街を望む。
 歩道、車道及び鉄道の併用橋です。

 上記に同じ。新市街→旧市街を望む。

 釣り道具のレンタルもあります。

 新市街のランドマーク「ガラタ塔」を見ています。

 橋の下はレストランです。

 同上。

 橋の上から「シュレイマニエ・ジャーミー」を見ています。
 前回、暑さに負けて見忘れたモスクです。

 上記、大写しです。
 4本のミナレットが美しいモスクです。
 ドーム高は53mあります。

 内部です。ステンドグラスが美しいです。
 採光用のステンドグラスも目をひきます。

 同上、天井のドームです。採光用のステンドグラスきれいです。

 同上。

 旧市街から新市街へ渡る通船のガラタ橋桟橋です。

 新市街の中心地は約1km先の丘の上にあります。

 よってこのテュネル(=ケーブルカー)が市民の足です。

 テュネルの車内。

 トンネル断面。

 新市街の丘の途中までの一駅区間の運行です。

 テュネルの次はこの路面電車に乗り換えます。
 朝8:00に撮ったものです。まだ人通りはありません。

 同上、横道はレストランやカフェです。

 同上。昼間の風景。

 同上。

 同上、夕方の風景。

 同上、夕方から夜にかかる風景。

 同上。

 同上。

 イスティクラール通りは高級ショッピング店が軒を競っています。
 が、このようなキリスト教会もあります。

 同上。

 イスティクラール通りの丘の上のタクシム広場付近にある
 路面電車のメンテナンス工場。

 ちょっと路地を入ると花屋や果物屋を見かける。

 ここがイスティクラール通りの丘の上の
 タクシム広場です。

 平面的に見てみましょう。
 左下がイスティクラール通りから出てきてタクシム広場にぶつかった所です。
 新市街の中心地です。

 前記写真を右に振ります。
 手前がタクシム地下鉄駅でバスやタクシーの発着地です。
 大きな公園はタクシム公園です。

 公園の後方に聳える高層ビル群です。ここも新市街です。

 同上。

 上記写真をさらに右に振りました。
 右側がボスポラス海峡です。

 上記の右側の第一ボスポラス橋の大写しです。
 中央スパンは1,090mあり、橋長は1,510mの吊り橋です。

 タクシム広場は市民の待ち合わせ場所です。
 中央には独立記念碑が建てられている。

 同上。

 中央の人物がトルコを独立に導いた初代大統領
 ムスタファ・ケマル(=アタテュルク)です。

 ボスポラス海峡から上がる朝日。

 同上。

 ここが地下鉄の駅の路上です。出入り口は屋根では覆われていません。

 ごらんの通り屋根なしです。
 降雨はあるのに理由がわかりません。
 丘の上だから周りからの浸水を考えないからでしょうか?

 タクシム公園です。噴水があります。

 噴水の周りは花で囲まれていました。
 8月の中旬のこの時期、百日紅が満開でした。

 同上。

 タクシム公園からボスポラスまでは丘を下ります。

 タクシムのケーブルカー(=フニキュレル)の駅

 ケーブルカーの車内。

 トンネル断面。

 ケーブル。

 ボスポラス海岸駅カバタシュから
 旧市街へ行くトランヴァイ(路面電車)路線風景。

 同上。

 同上。




 ここからはオプショナル見聞です。
 まずはガラタ塔の夜景です。ベリーダンスは夜半に始まります。

 途中までエレベーターで上がり、最上階へはこのような木張りのらせん階段です。

 ガラタ塔の展望回廊から見るガラタ塔と旧市街。

 同上、シュレイマニエ・ジャーミー。

 同上、ブルーモスクとアヤソフィア。

 ボスポラス橋。七色に変わります。

 同上。

 ベリーダンスの前座です。

 これがベリーダンスです。

 これはコサックダンス?



 アヤソフィア前の参道も百日紅の花が満開でした。(2,012年8月中旬撮影)

 同上。きれいですね。Happyな気持ちにさせられます。



 グランドバザールも相変わらずの人混みです。

 ここがアガサクリスティのオリエント急行の「シルケジ駅」です。
 改修中でした。

 ホームです。

 これは何でしょう。ホームにある1,980開業の
 その名も「ORIENT EXPRESS」というレストランです。

 上記レストランの全景。(ホーム側)




 友人にお願いをして世紀のプロジェクトを見せて頂きました。
 ここはトンネル掘削機械を投入した立坑です。
 直径は25mあります。深さは約50mです。

 前記を下(坑内)から見上げました。

 ここはシルケジ駅からブルーモスクの脇をトンネルで抜いて西側に抜けます。
 円形のシールドトンネル(注1)の断面内径は7mです。上下線のメガネです。

 私は先回はこの旧市街のカフェでチャイを飲んでいました。
 この真下にトンネルが建造中です。観光客は誰も知りません。

 トランヴァイの軌道の下もトンネルが建造中です。
 先回は何も知らずにトランヴァイに乗っていました。

 ボスポラス海峡横断トンネルはアジア側のウスクダル駅から入ります。
 ボスポラス橋を渡り対岸からになります。

 同上、吊り橋です。

 ウスクダル駅です。
 アジア側の海岸にあります。ここで海面から約-50m下方です。

 駅舎から海底トンネルのアジア側入口です。
 トンネル断面の内径は7mあります。上下線のメガネです。

 シールドトンネル曲線部。

 同上、直線部。

 ここでシールドトンネルと沈埋トンネル(注2)がジョイントします。
 沈埋の最深部は海面より約60mあり、上層の海流が逆向きで2海流あり
 99m~135m/1函体 で11函体で沈埋トンネル延長1,387mの世界でも初めての
 沈設作業を無事に終え海峡下の海底トンネルは貫通していました。

 ここからが沈埋トンネル部分です。

遥か先にガラタ塔をみる、この海底約60mにトンネルがあります。

 ちょうど旧市街のブルーモスク方向が海底トンエルと地下部との軌道方向です。


 
 (注1)シールドトンネル:
    シールドマシンと呼ばれる円筒の掘削機で筒の先端にカッターを取付けて切羽を
    掘進し、それと同時に、機械背後は連続的にセグメントリングを構築していきます。
    モグラが土を掘って進んでいる様子を思い浮かべてください。

 (注2)沈埋トンネル:
    ドライドックで造ったコンクリート製の函体(B=135m)を海に浮かべて沈設地点まで
    曳航し、函体に注水をして所定の位置に沈設します。この作業を所定のトンネル長に
    なるまで順次繰り返します。 お風呂の中にペットボトルが浮かんでいる様子です。
ペットボトルに水を注ぐと沈んでいきます。
    そして海底に沈めたペットボトルを繋いでいきトンネルを造ります。
    

 世界を代表するすごい土木工事です。この工事に携われた土木技術者は様々な困難に
 立ち向かわれ、この様な後世に残る、立派な仕事を成し遂げようとしています。
 敬意を表しますとともに、残された工事期間も無事故で無事に世紀の海底トンネルが
 完成することを祈っています。


この記事についてブログを書く
« 高原の街キジ(Xizi)へ | トップ | 明日を掴もう。ここもゼロか... »
最新の画像もっと見る

Istanbul & Azerbaijan」カテゴリの最新記事