土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

ペトラ遺跡(No.1)

2009-12-21 23:54:22 | ヨルダン(ペトラ遺跡)
 ペトラ遺跡は首都アンマン市から南側(紅海側)へ約250kmに位置します。どこまでも続く土漠の中に出現した「砂漠の高速道路」=デザート・ハイウエイ=無料 を制限時速110km/h.(なぜか100km/h.ではありません)+αの速度にて、途中一回給油し約3時間で到着します。



 「デザート・ハイウエイ」を西側(イスラエル側)に右折し更に南下しペトラ遺跡に隣接した町 「Wadi Musa」=ワディ・ムーサに到着します。ペトラ遺跡は広大で通常、遺跡群を見るだけで3日間必要ですので、この町にホテル、レストランや土産物店が多数存在しています。



 上記峠を過ぎるとペトラ遺跡群の岩石山(主に砂岩)が眼前に広がります。植生している木々は大半がオリーブです。ここにもモーゼが杖で岩を突き刺し泉が湧き出た「アイン・ムーサ」=モーゼの泉 があります。



 北のシリア国から続くヨルダン川→死海→アラバ川→紅海のイスラエル国やパレスチナ自治区との国境のヨルダン川流域は大渓谷地帯で水が豊かで、今でも農業が主流です。南部ペトラ地帯は山岳地帯で深い断層で刻まれた岩石山に覆われています。



 正門手前に隠れたように「ビジターズ・センター」とチケット売り場があります。1日、2日と3日券が売られています。但し15歳以下は無料で、ヨルダン人は2JD(約30円)です。1日券の21JD(約3,200円)は、この国の物価から比べたら異常に高価な金額です。が、先回投稿のジェラシュ遺跡同様に修復作業や維持管理費に相当な費用が掛かるのだと考えます。それにしても1日券は2,3日券の割増高に比べると高すぎではないでしょうか?? 確かに3日掛けて見たい遺跡ではありますし、3日滞在したい人達の優遇料は理解が出来ますが宿泊代や食事代で大変な費用になってしまいます。ここで3日間費やすには暇と費用が必要です。



 チケット売場のあるロータリの一角から正門ゲート(右側の人垣の所)を見ております。



 先回掲載しました「エル・ハズネ」=「宝物殿」までは約1.5km~2kmあります。シークと呼ばれる切り立った岩石山で囲まれた狭小な道は未だ見えません。右前方に岩壁を掘って造られたその名も「ジン・ブロックス」と言う塔形の墓廟が見られます。中央分離帯の左半分は馬や馬車の道です。



 「ジン・ブロックス」の前方には上部に4本のオベリスクがまた下方には円柱で造られた墓がありそれぞれ「オベリスクの墓」及び「トリクリニウムの墓」と呼ばれております。



 上記に続く道路です。前方に見える岩石山が「シーク」の入口です。植生している木々はオリーブです。



 上記オリーブの木々を通り過ぎた所を撮っています。ここから「シーク」の入り口です。



 「シーク」の入口の見張り小屋です。ここから先、約1km~1.5kmは「シーク」だけですので、日よけの白色のスカーフ(モスレム=イスラム教の女性が被る)やミネラルウオーター等の売店があります。



 さあー今から「シーク」に入っていきます。この場所を「バブ・アス・シーク」と言い「シークの門」の意味です。現在は枯れた峡谷ですが古の時は雨水がここを轟々と流れていたそうです。ナバタイ人がこの東側に長さ88m、高さ6mの堰(ダム)を造り転流したとの事です。
 ここからは自然の岩石山ですので驚異です。馬車や馬に乗った観光客は多分にここまで来るのに疲れたもしくわ足に豆ができた人達だとだと考えます。本人達も非常に残念な思いだと推察します。



 大半の観光客はこのように岩山の絶景に驚きながら歩きます。殆どが欧米人で頭に白いスカーフを巻いた人はここの暑さに耐え切れない人か、もしくわ準備周到な人達です。観光の本にはペトラは暑いのでスカーフや帽子が必要と記されております。11月にも拘わらず半袖の人達もいます。