いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
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御尊像は胎籠りの観音様

2018-07-05 06:15:59 | Weblog
                     《昭和42年に修築された観音堂》                      
                                                                               
                                           分類・神仏
                        専称寺観音  いわき市常磐松久須根町字上坪

   戦死した夫の守り本尊を抱いて移り住んだ妻

 専称寺観音堂とは便宜上、付けられている名のようで本来、専称寺と観音堂は別個のものであって地元の人たちは現在の建物を観音様の略称で呼んでいるお堂です。

 御尊像は「胎(はら)ごもりの十一面観音」で、例年7月16日にまつりが行われます。
 寄木造りの十一面観音は聖観音を胎中に抱いていることから胎内仏とも云われるものですが、昔からの木造胎内仏は専称寺に住んだ僧徒によりなくされてしまいました。
 大正2年、村内の寄金によって聖観音金仏を胎内に入仏しています。

 この地に観音堂が建立されたのは、天文22年に飯野村中山館の館主、中山讃岐守隆吉が三春の地で戦士をし、その菩提寺が上矢田村円福寺と定まり、中山一族も上矢田村小田小路地内に移りました。
 隆吉の妻は夫の冥福を祈るために、亡夫の守り本尊十一面観音を抱いて小田小路から松久須根の草庵(専称庵)に移り住んだことに始まります。

 明治15年前後までは観音堂の隣地に、四倉・薬王寺の末寺であった専称寺が建っていたのですが、その後、地元に檀家が無かったこともあって取り壊され、伽藍すべてを何処かへ運び去られてしまったとされています。
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