毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




今日と明日は、セリーヌ・フリシュの「少年バッハと、心の師匠たち」と題されたCD(原題は Die Quellen des jungen Bach)から、BWV914とBWV915のトッカータを楽しみます。これからきくBWV914は、クラヴィーアのためのほかのトッカータと同じく、多部分からなるトッカータ。感興のおもむくまま作曲されたような、楽想の変化にとんだ作品で、のちの熟達された、整然とした構成感のある作品とは、またちがった魅力があります。

フリシュ(http://www.celinefrisch.com/)は、1974年生まれのフランスの女性チェンバロ奏者。バーゼルのスコラ・カントールムでは、アンドレアス・シュタイアーにも学んだようで(ただし響きは鋭いシュタイアーとは対照的)、レオンハルトからみれば孫弟子にあたります。なお、Alpha 149には、「若きバッハの(音楽的)源泉」たる、ラインケン、ブクステフーデ、フローベルガー、ケルルの作品が収録されていて、こちらも楽しめます。

CD : Alpha 149(Alpha)

Alpha 149

コメント ( 0 )




今日、9月29日はミカエルの祝日。ということで、これからきくのは、この日のためのカンタータ「喜びと勝利の歌声は」です。このBWV149の歌詞は、ピカンダーが1728年に出版した『1年分の日曜・祝日のためのカンタータ集』によっていて、いわゆる「ピカンダー年巻」のカンタータ。編成は、ほかのミカエルの祝日のためのカンタータと同じく、トランペット3本をともなうもので、とても華やかなカンタータです。今日は、これを、ガーディナーたちの演奏できくことにします。

CD : SDG 124(SDG)

SDG 124

コメント ( 0 )




昨日の予告どおり、今日きくのはバンジャマン・アラールの「アンドレアス・バッハ写本」と題されたCDから、プレリュードと模倣曲。このBWV563は、リューネブルク時代かアルンシュタット時代の成立とされる、ごく初期の作品です。

CD : Hortus 045(EDITIONS HORTUS)

Hortus 045

コメント ( 0 )




先週は、バンジャマン・アラールの演奏で、オルガンのためのトリオ・ソナタをきいていたわけですが、今日と明日も、ひき続きアラールの演奏をきいてみようと思います。きくのは、「アンドレアス・バッハ写本」と題されたCDから、ハ短調のファンタジー。このBWV1121は、1982年に発見されたオルガン・タブラチュア譜による曲で、成立年代は1706年~1713年ということです。オルガンは、レミ・マーラーが1999年に製作した、サン・エチエンヌ・ド・バイゴリ教会(フランスのピレネー・アトランティック県)のそれ。

CD : Hortus 045(EDITIONS HORTUS)

Hortus 045

コメント ( 0 )




「おのれを高うするものは、卑うせられ」は、1726年10月13日に初演された、三位一体節後第17日曜日のためのカンタータ。このBWV47は、長大な合唱フーガにはじまる5曲からなるカンタータで、「アイゼナハの宮廷付き秘書官J.F.ヘルビヒの歌詞集(おそらくG.Ph.テーレマンのために書かれたもの)から台本をとった、唯一のカンタータ」(『バッハ事典』)です。

ガーディナーの演奏では、第1曲の合唱フーガで、器楽の長い導入部に続く各声部でのフーガの入りをソロではじめるくふうも。また、ソプラノのアリア(第2曲)では、1730年代後半の再演時にしたがい、ヴァイオリンのオブリガートで演奏しています。ちなみに、コープマンの演奏だと、やはりというか、初演時のオルガンのオブリガートです。

CD : SDG 159(SDG)

SDG 159

コメント ( 0 )




バンジャマン・アラールの演奏できいてきたトリオ・ソナタ。これからきくのはト長調の第6番で、このBWV530は「世俗的な親しみやすい筆致で綴られたソナタ」(『バッハ事典』)。アラールの演奏は、若さにまかせたところがなく、気負ったり、趣向を凝らしすぎることもなく、どれもすがすがしいもの。そして、ピリオド奏法の成果はじゅうぶんとりいれているものの、伝統的な、教会のオルガン奏者としての道をはずすところがありません。

DHMとSeonレーベルのレオンハルトによるバッハの作品の集成」(「私的CD評」)で紹介されている、レオンハルトの若かりしときとは、とりまく状況がおおきくことなっていることも、アラールの演奏に影響をあたえていると思われます。いまは、より自然体で、構えなく音楽や楽器にむきあえるようになり、アラールたちの世代の演奏家は、とても幸せだといえるかも。もっとも、それが苦労のはじまりと、いえなくもないわけですが。

CD : Alpha 152(Alpha)

Alpha 152

コメント ( 2 )




1985年生まれのオルガン奏者(でチェンバロ奏者)、バンジャマン・アラールの演奏できいているトリオ・ソナタ。これからきくのはハ長調の第5番で、このBWV529は「明朗なハ長調を主調とし、生気に溢れる」(『バッハ事典』)ソナタ。なお、第2楽章はBWV545a(BWV545の旧稿)のラルゴだった音楽です。

CD : Alpha 152(Alpha)

Alpha 152

コメント ( 0 )




バンジャマン・アラールの演奏できいているトリオ・ソナタ、これからきくのはホ短調の第4番です。このBWV528は、「6曲中唯一、アダージョの序奏をもち、教会ソナタ風の楽章構成を示す」(『バッハ事典』)ソナタで、その第1楽章は、BWV76第8曲のシンフォニア(編成はオーボエ・ダモーレ、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音)と同じです。

CD : Alpha 152(Alpha)

Alpha 152

コメント ( 0 )




昨日に続き今日も夏日の京都。早朝は涼しかったのですが、日中はむしむしとした暑さで、かなり不快な気候になっています。夜からは雨という予報。雨は明日まで降り続き、これをさかいとして、気温もぐっと低くなるらしく、これはうれしい予報です。

さて、バンジャマン・アラールのオルガン演奏できいているトリオ・ソナタ、これからきくのはニ短調の第3番。このBWV527は、「多彩なリズムと優美な曲想をもつ」(『バッハ事典』)ソナタで、その第2楽章は、BWV1044の第2楽章に転用されています。

CD : Alpha 152(Alpha)

Alpha 152

コメント ( 0 )




昨日からききはじめた、バンジャマン・アラールによるトリオ・ソナタ。これからきくのはハ短調の第2番で、このBWV526は、「堂々たる曲想と、協奏曲風の整然とした構成」(『バッハ事典』)のソナタです。アラールは1985年生まれという、とても若いオルガン奏者。CDの録音は2008年で、その前年の2007年には、フライブルクで開催されたゴットフリート・ジルバーマン国際オルガンコンンクールで優勝しています。ちなみに、2003年の同コンクールでは、桑山彩子(京都カトリック河原町教会のオルガン奏者)が優勝しています。

CD : Alpha 152(Alpha)

Alpha 152

コメント ( 0 )




先週は、ヴァレッティとフリシュによるオブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタを楽しみましたが、今週は同じAlphaから発売された、バンジャマン・アラールによるトリオ・ソナタをきくことにします。オルガンのためのトリオ・ソナタは、このブログではすでに5度目。何度もきいている理由は、オルガンのほかにも編曲による演奏がいろいろあること、そして、くつろいだ気分できけるということ。とにかく、何度きいても楽しめます。

アラールは1985年生まれという、きわめて若いチェンバロとオルガンの奏者。演奏している楽器は、パリのサン・ルイ・アン・リル教会のオルガン(ベルナール・オーベルタンの製作)で、これが製作された2005年から同教会のオルガン奏者に就任しています。2007年には、フライベルクで開催されたゴットフリート・ジルバーマン国際オルガンコンンクールで優勝しています(2005年にはブルージュ国際古楽コンクールでもチェンバロで優勝)。

CD : Alpha 152(Alpha)

Alpha 152

[訂正]ゴットフリート・ジルバーマン国際オルガンコンンクールの開催地を「フライブルク」と表記していましたが、正しくは「フライベルク」でした(上記の記事では修正済)。コメントにCurraghさんから質問いただいた時点で、表記のまちがいに気づくべきでしたが、回答でも重ねて「フライブルク」と表記してしまい、ご迷惑をおかけしました。



コメント ( 3 )




三位一体節後第16日曜日にきくのは、カンタータ「来たれ、甘き死の時よ」です。このBWV161は、ヴァイマール時代の1716年9月27日(パーセル・クァルテットのCD解説では1716年10月6日)に初演されたカンタータで、歌詞はフランクによります。パーセル・クァルテットはOVPP(OVPPについては「OVPPによる演奏」)による演奏で、歌手はカークビー、チャンス、ダニエルズ、ハーヴィです。

CD : CHAN 0742(Chandos Records)

CHAN 0742

コメント ( 0 )




ヴァレッティとフリシュの演奏できいてきたオブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ、これからきくのはト長調の第6番です。6曲の中でこのBWV1019だけが5楽章構成で、第3楽章のホ短調のアレグロはチェンバロ独奏曲になっています。またBWV1019はくりかえし改訂され、「最終稿が完成したのは、ライプツィヒ時代の1724~27年頃のこと」(『バッハ事典』)です。

CD : Alpha 060(Alpha)

Alpha 060

コメント ( 0 )




ヴァレッティとフリシュによるオブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ、今週は、月曜日からこのヴァイオリン・ソナタを番号順にきいていて、これからきくのはヘ短調の第5番です。BWV1018は、「受難のイメージに通じるとされるヘ短調を主調に、すべての楽章が短調で書かれてい」(『バッハ事典』)ます。ヴァレテッィたちは、きわだった集中力で美しく演奏していますが、悲愴感といったものは感じさせません。

CD : Alpha 060(Alpha)

Alpha 060

コメント ( 0 )




月曜日からきいている、ヴァレッティとフリシュによるオブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ。これからきくBWV1017、つまりハ短調の第4番は、「深い悲しみの表現と和声によって、第5番と双璧をなす傑作」(『バッハ事典』)です。ヴァレッティたちの演奏は、「深い悲しみ」とうほどの深刻さはなく、さりげない美しさをもっています。

CD : Alpha 060(Alpha)

Alpha 060

コメント ( 0 )



« 前ページ