三位一体節後第10日曜日にきくのは、フィリッペ・ヘレヴェーゲ(フィリップ・ヘレヴェッヘ)たちによる「考え見よ、われを襲いしこの痛みに」です。このBWV46は、1723年8月1日に初演された、三位一体節後第10日曜日のための、全6曲からなるカンタータ。「エレミア哀歌」による第1曲の合唱曲(ウン・ポコ・アレグロまでの前半)は、のちに「ロ短調ミサ曲」の第9曲「クイ・トリス(世の罪を除きたもう者よ)」に転用されました。リコーダーをともなう音楽は、歌詞をみごとに表象しており、転用後はフルートに替えられています。
第1、第3、第6曲では、「トロンバ・ダ・ティラルシあるいはコルノ・ダ・ティラルシ」が編成されていますが、ここではトロンバ・ダ・ティラルシ(スライド・トランペット)で演奏されています。また、第6曲のコラールでは、バッハはリコーダーを増強し、二部にそれぞれ2本のリコーダーが要求しています。ヘレヴェーゲの録音は、いつものようにコレギウム・ヴォカーレ・ヘントとのもので、2012年の録音。独唱者も歌う合唱はパート3人、オーケストラには、近藤倫代(ヴァイオリン)と北里孝浩(オーボエ)の二人の日本人が参加しています。
CD : LPH 006(PHI)