毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




宗教改革記念日(10月31日)にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンによる「主なる神は日なり、盾なり」です。宗教改革記念日はマルティン・ルターがヴィッテンベルク城教会の扉に「95ヶ条の論題」を貼りだした、1517年10月31日にちなむもので、今年2017年は宗教改革500年ということになります。BWV79は宗教改革記念日のためのものですから、初演は1725年の10月31日。第1曲ではホルンが編成(第3曲と第6曲のコラールでも)されており、牧歌的な響きではありながらも、じつに堅固で剛毅な合唱曲となっています。

CD : BIS-SACD-1671(BIS Records)

BIS-SACD-1671

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これから夕食までのひとときにきくのは、リナルド・アレッサンドリーニ(指揮とチェンバロ)とコンチェルト・イタリアーノによる「フーガの技法」(1998年録音)です。アレッサンドリーニはチェンバロ奏者でもあるので、チェンバロのみでの録音もできたでしょうが、このアルバムではアンサンブル編曲でのぞんでいます。弦楽のほか、フルート、オーボエ、オボーエ・ダモーレ、オボーエ・ダ・カッチャ、ファゴットといった木管楽器もふくめたアンサンブルで、曲におうじてさまざまな編成をとっています。未完のコントラプンクトゥス第15番は未完のままでの演奏です。

CD : OPS 30-191(OPUS 111)

OPS 30-191

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三位一体節後第20日曜日にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンによる「ああ、いまわれ婚筵に行かんとして」です。このBWV162は1716年10月25日に初演。アリア(バス)にはじまり、レチタティーヴォ(テノール)、アリア(ソプラノ)、レチタティーヴォ(アルト)、二重唱(アルトとテノール)と続き、コラールでしめられます。第1曲から第5曲の歌詞はザーロモ・フランク、第6曲のコラールはヨーハン・ローゼンミュラーです。ちなみに、ローゼンミュラー(1619年生)は同性愛問題がなければ、バッハの先輩カントールになるはずだったすぐれた音楽家です。

CD : BIS-CD-791(BIS Records)

BIS-CD-791

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今週後半は、ウィリアム・カーターが2014年に録音した「Bach Reimagines Bach」を楽しんでいます。アルバム表題のとおり、「バッハ自作自編」のリュート曲を並べた構成で、これからきくのは最後の曲、ト短調のリュート組曲です。このBWV995の原曲は無伴奏チェロ組曲第5番で、編曲にあたり、ハ短調からト短調に移調されています。なお、カーターの使用楽器はマーティン・ヘイコックによるリュート(2003年)で、棹はクラウス・ヤコブセンの再造(2008年)です。

CD : CKD 445(Linn Records)

CKD 445

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昨日からききはじめた、リュート奏者ウィリアム・カーターの「Bach Reimagines Bach」。今日これからきくのは、ホ長調のリュート組曲(パルティータ)で、BWV番号が示すとおり、同調の無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータを編曲したものです。BWV1006aはバッハの自筆譜で伝承されており、まさにアルバムの表題どおりの作品ですが、リュート用かどうかについては異論もあるようです。

CD : CKD 445(Linn Records)

CKD 445

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今週後半にきいていくのは、ウィリアム・カーターが2014年に録音した「Bach Reimagines Bach」。カーターはアメリカ生まれのリュート、ギター奏者で、ポール・オデットにリュートを学んだとこことです。ちょっと意味深にみえる表題ですが、直訳すれば「バッハがバッハを再創造する」ということになります。これは「バッハ自作の自身による(リュート)編曲」ということのようで、アルバムには3曲のリュート作品が収録されています。これからきくのは、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番をリュート用に編曲したもの。ただし、バッハが編曲したとみられるのは原曲第2楽章のフーガ(BWV1000)のみのはずですが、カーターによると全曲編曲を示唆する資料があるようです。使用楽器は、マーティン・ヘイコックの2003年製のリュート(棹はクラウス・ヤコブセンが2008年に再造)です。

CD : CKD 445(Linn Records)

CKD 445

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先週後半からきいてきた、アマンディーヌ・ベイェとリ・インコーニティの「BWV... or not?」。この2017年2月録音のアルバムには、「The inauthentic Bach」という副題が示すとおり、真作の確実性に欠く作品がとりあげられており、徹頭徹尾バッハの手になるものはわずかです。これからきくのはイ長調の組曲(BWV1025)で、原曲の作曲者はジルヴィウス・レーオポルト・ヴァイス。バッハがそれを編曲して成立したのがBWV1025とみられています。なお、アルバムには「音楽の捧げもの」のトリオ・ソナタも収録されていますが、BWV1079の一部ということで、「一日一バッハ」のローカル・ルールにしたがい、ここでは省略しました。

CD : HMM 902322(harmonia mundi)

HMM 902322

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これからきくのは、若き日のバッハの手になるフーガ(BWV1026)。このフーガの原典資料はヨーハン・ゴットフリート・ヴァルターの筆写譜で、「ヴァイマル時代前期、1712年以前の作と推測され」(『バッハ事典』)るとのことです。伝承されているのは単一楽章ですが、ひょっとするとソナタの一部であった可能性もあります。音源はアマンディーヌ・ベイェとリ・インコーニティの「BWV... or not?」で、録音は2017年です。

CD : HMM 902322(harmonia mundi)

HMM 902322

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アマンディーヌ・ベイェとリ・インコーニティのアルバム「BWV... or not?」。2017年録音のこのアルバムには、かつてバッハの作品とされていた、疑義のある、あるいは作曲者が判明したソナタが収録されています(例外は「音楽の捧げもの」のトリオ・ソナタなど)。先週後半から収録順にきいており、これからきくのはハ長調のトリオ・ソナタ。このBWV1037、いまでは真の作曲者はヨーハン・ゴットリープ・ゴルトベルクとされています。ヴァイオリンはベイェとアルバ・ローカ。ちなみに、ローカはカタルーニャ(スペイン)のベルガ生まれの奏者で、ジョルディ・サヴァールのアンサンブルにも参加しています。

CD : HMM 902322(harmonia mundi)

HMM 902322

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三位一体節後第19日曜日にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンによる「われはいずこにか逃れゆくべき」です。このBWV5は全7曲からなっており、1724年10月15日に初演。ヨーハン・ヘールマンの同名コラールによもとづく、いわゆるコラール・カンタータです。鈴木たちの録音は2003年。独唱者は、スサン・リディアン、パスカル・ベルタン、ゲルト・テュルク、ペーター・コーイで、かれらをふくめた合唱は12名(パート3名)編成です。なお、有名な「シュープラー・コラール集」にも同名コラールがありますが、そのコラールの原曲はBWV5の楽章ではなく不明。おそらく消失したカンタータの楽章とみられます。

CD : BIS-CD-1421(BIS Records)

BIS-CD-1421

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一昨日からきいているアマンディーヌ・ベイェとリ・インコーニティの「BWV... or not?」。今日きくのはBWV1036という番号が付されたニ短調のトリオ(アルバムではヴァイオリンとオブリガート・チェンバロのためのソナタ)です。じっさいの作曲者は、カール・フィーリップ・エマーヌエル・バッハとみられ、解説書によればエマーヌエルのWq145/H.569の初期稿ということです。

CD : HMM 902322(harmonia mundi)

HMM 902322

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アマンディーヌ・ベイェとリ・インコーニティが、2017年2月に録音した「BWV... or not?」(副題は「The inauthentic Bach」)。これを昨日から収録順にききはじめており、今日きくのはト長調のフルート、ヴァイオリン、通奏低音のためのソナタです。このBWV1038は、ともにヴァイオリン・ソナタのBWV1021、BWV1022と同一バス声部によっています。ベイェたちの録音の解説書では、作曲者について「Johann Sebasitian Bach or/and Carl Philipp Emanuel Bach」としています。独奏はフルートがマヌエル・グラナティエロ(1976年生)、ヴァイオリンはもちろんベイェです。

CD : HMM 902322(harmonia mundi)

HMM 902322

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今週の後半から来週の前半は、アマンディーヌ・ベイェとリ・インコーニティによる「BWV... or not?」(2017年2月録音)を楽しみます。ベイェは、1974年生まれのフランスのヴァイオリン奏者。このブログでもベイェのバッハは「無伴奏」などをか紹介していますが、今日からきいていく「BWV... or not?」は、タイトルどおりなかなかおもしろい企画のアルバムです。今日のヴァイオリン・ソナタにはBWVの1024番が付されていますが、じっさいはヨーハン・ゲオルク・ピゼンデルの作品とみなされています。

CD : HMM 902322(harmonia mundi)

HMM 902322

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先週の後半からきいてきた、デイヴィッド・ワトキンによる6曲の無伴奏チェロ組曲。音源のアルバムは2013年の録音で、収録順はまず奇数番号お昇順、つぎに偶数番号の昇順という配列です。じっさいにきいてきたのは番号順で、これから楽しむのは最後の第6番(BWV1012)です。ワトキンのチェロはこの第6番のみ、アントニオおよびヒエロムニス・アマティの5弦のチェロ(1600年ごろの製作)。弓はこれまでと同じジョン・ウォータハウス製作のそれです。なお、ヒエロムニス・アマティはアントニオの弟のジローラモのことで、ヒエロニムス2世として知られるジローラモ(父はニコロ)のことではありません。

CD : RES10147(Resonus)

RES10147

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これから視聴するのは、BBCが2013年に制作したドラマ「エロイカ(Eroica The day that changed music forever)」(Opus Arte OA 0908 D)です。このドラマは、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の初演のようすをドキュメンタリー・タッチでドラマ化したもの。じっさいの初演は、同交響曲の被献呈者であるロプコヴィッツ侯爵(ラウドニッツ公爵)のラウドニッツ城で非公開でおこなわれており、これが虚実まじえて映像化されています。で、なぜこれをいま視聴するかというと、このドラマにデイヴィッド・ワトキンが出演しているから。チェロの首席奏者として、熱演のようすが映像にもしっかり映りこんでいます。DVDにはリハーサルにおけるセリフの入ったドラマのほか、通しの演奏もそのまま収録されており、後者だけでもしっかり楽しめます。演奏はジョン・エリオット・ガーディナー指揮のオルケストル・レヴォリューショネール・エ・ロマンティーク。ただし、映像で指揮しているのはイアン・ハント扮するベート-ヴェンで、ガーディナーではありません。

Eroica The day that changed music forever

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