このところレギュラーできいているアイヴァー・ボルトンのチェンバロ。ですが、いまはチェンバロ奏者というより、すっかり指揮者です。手元にあるボルトンもほとんどがオペラで、ヘンデル、ラモー、モーツァルトの映像作品。今夜はその中からヘンデルの「ジューリオ・チェーザレ・イン・エジット」(Unitel Edition 807804)を楽しむことにします。エジプトにおけるジュリアス・シーザーという表題どおり、シーザーをプリモ・ウォーモ、クレオパトラをプリマ・ドンナとして展開されるオペラです。
演出のキース・ウォーナーは大型のスクリーンを利用するなど、現代的で斬新な舞台を創出。ヘンデルの音楽を下敷きにした芸術的発露としてみれば、なかなかおもしろい演出です。歌手はなかなかよい配役で、主役にはベジュン・メータ(カウンターテナー)とルイーズ・アルダー(ソプラノ)が起用されています。オーケストラはウィーン・コンツェントゥス・ムジクスで、映像は2021年12月のアン・デア・ウィーン劇場での公演の録画。いまからだと日付をまたぐことが確定ですが、ひさしぶりに夜更かしを楽しむことにします。