今日と明日は、セリーヌ・フリシュの「少年バッハと、心の師匠たち」と題されたCD(原題は Die Quellen des jungen Bach)から、BWV914とBWV915のトッカータを楽しみます。これからきくBWV914は、クラヴィーアのためのほかのトッカータと同じく、多部分からなるトッカータ。感興のおもむくまま作曲されたような、楽想の変化にとんだ作品で、のちの熟達された、整然とした構成感のある作品とは、またちがった魅力があります。
フリシュ(http://www.celinefrisch.com/)は、1974年生まれのフランスの女性チェンバロ奏者。バーゼルのスコラ・カントールムでは、アンドレアス・シュタイアーにも学んだようで(ただし響きは鋭いシュタイアーとは対照的)、レオンハルトからみれば孫弟子にあたります。なお、Alpha 149には、「若きバッハの(音楽的)源泉」たる、ラインケン、ブクステフーデ、フローベルガー、ケルルの作品が収録されていて、こちらも楽しめます。
CD : Alpha 149(Alpha)