毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




これからきくのは、ラベック姉妹たちによるBWV1063。これは先週きいたBWV1061(記事は「2台のチェンバロのための協奏曲 第2番 ハ長調 BWV1061 [2]」)と同じく、「Italian Bach in Vienna」に収録された演奏です。BWV1061もエキサイティングな演奏でしたが、このBWV1063もそれをうわまわるもの。独奏は、第1が姉カティア、第2がダントーネ(チェンバロ)、第3が妹マリエルと、フォルテピアノとチェンバロが混在するちょっとかわった編成です。

3台のチェンバロのための協奏曲ながら、第1と、第2、そして第3とではきわめて不均衡。32分音符がつらなる華麗な走句は、そのほとんどを第1が担当します。長い独奏は、第3楽章に、第2が73~100小節、第3が139~166小節、とあるくらいで、第1、第2楽章にはありません。こうした第1独奏の優位は、「おそらく、バッハ自身が第1チェンバロを担当したことの反映」(『バッハ事典』)とみられています。

失われた原曲からの編曲にあたり、研究者ブライクのいうように「バッハの息子たちが編曲に関与した可能性」(『同』)があるとするならば、ちょっとした妄想も可能。つまり、原曲はヴァイオリン協奏曲のような単一楽器による協奏曲で、バッハがこれを3台のチェンバロのための協奏曲に編曲するさい、第2、第3の独奏を追加するよう、長男フリーデマンと次男カールに課題した、と。BWV1063をきくときには、そんな妄想をしながら楽しんでいます。

DVD : TDBA-0006(TDKコア株式会社)

TDBA-0006

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昨晩、録画しておいた「相棒 Season 4」の「第4話 密やかな連続殺人」(再放送)をみていました。みのがしていたものだったのですが、とちゅうBGMにBWV1042の第2楽章が流れていました。連続殺人犯のプロファイルの場面だったので、くりかえさる低音の音型を「連続」殺人犯とだぶらせているのかとも思いましたが、じっさいはどうなのでしょう。ともかく今日はそのBWV1042をきくことにし、ラモン(ヴァイオリン)とターフェルムジーク・バロック・オーケストラの演奏で楽しみます。

CD : SK 66265(SONY CLASSICAL)

SK 66265

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オルガンのためのコラール編曲「おお、神の子羊、罪なくして」(「アニュス・デイ」のドイツ語訳)は、「マタイ受難曲」などでも有名な受難コラールを定旋律とするもの。このBWV1085では、定旋律は装飾されてソプラノにあらわれます。演奏はヴァインベルガーのオルガンです。

CD : 999701-2(cpo)

999701-2

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午前中、東山界隈をうろうろしていたのですが、なんだかずいぶん春めいてきて、観光客も一気にふえた感じがします。時間があれば、ゆっくり散策でもしたかったのですが、仕事があるのでそうもいかず……。さて、これからきくのは「ああ、われら哀れなる罪人」(「4声コラール」)。一昨日の「主キリスト食卓に就きし時」と同じく、時期的にはちょっと早いのですが、これをマットたちの歌唱できくことにします。

CD : 99575(Brilliant Classics)

99575

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「われら皆一なる神を信ず」は、「J.L.クレープス作」(『バッハ事典』)の可能性があるオルガン・コラール。「2つの手鍵盤と二重の足鍵盤のための」5声の編曲で、定旋律はソプラノにあらわれます。おちついた、祈りの気分に満ちていますが、最後はソプラノの華麗な走句でしめくくられます。

CD : BIS-CD-439/40(BIS Records)

BIS-CD-439/40

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これからきくのはひさしぶりの「4声コラール」で、「主キリスト食卓に就きし時」です。時期的にはちょっと早いのですが、これをマット指揮のノルディック室内合唱団、フライブルク・バロック・オーケストラのメンバーによる演奏できくことにします。

CD : 99575(Brilliant Classics)

99575

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未明に観戦していた女子カーリングの日本-ロシア戦、とてもおもしろく、緊迫感があり、エキサインティングなものでした。その余韻もあって、バッハもエキサイティングなものをききたくなり、ちょっと考えてうかんだのがラベック姉妹によるBWV1061です。その演奏は、2000年4月24日、ウィーン楽友協会大ホールでのもので、オーケストラは、ジョヴァンニ・アントニーニ指揮のイル・ジャルディーノ・アルモニコです。

BWV1061は、2台のチェンバロとオーケストラのための協奏曲ですが、主役はラベック姉妹のフォルテピアノ。「本来、2台のチェンバロだけで演奏されていた可能性」(『バッハ事典』)があり、じっさい第2楽章はオーケストラは沈黙し、カティアとマリエル姉妹がフォルテピアノで親密なポリフォニーを紡いでいきます。第3楽章も32小節までは、まず姉カティアが、そしてついで妹マリエルと、姉妹だけでフーガを導きだします。

ちなみに、2台のチェンバロだけで演奏されたものには、渡辺順生と崎川晶子(ALM RECORDS ALCD-1023)、中野振一郎と高田泰治(マイスター・ミュージック MH-1227)などがあります。ただし、高田泰治はフォルテピアノです。

DVD : TDBA-0006(TDKコア株式会社)

TDBA-0006

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日曜日(復活節前第6日曜日)にはカンタータ、というのがこのブログでの恒例なのですが、この時期のカンタータといえばごくわずかしかのこされていません。ライプツィヒでは、四旬節の期間中、原則的にカンタータが演奏されなかったためで、いつもこの時期はなにをきこうか悩んでしまいます。

で、いろいろ考え悩んだあげくひねりだしたのが、「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 BWV1045」です。このBWV1045は、「失われた教会カンタータの導入楽章として伝えられる作品」(『バッハ事典』)で、シンフォニアと題された曲の149小節ほどでとぎれています(原曲はおそらくヴァイオリン協奏曲)。

楽譜にはJ.J.(イエスよ、助けたまえ Jesu Juva の略)に続き、「4部の合唱、3本のトランペット、ティンパニ、2本のオーボエ、協奏的ヴァイオリン、2部のヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のためのコンチェルト」(コンチェルトは協奏曲ではなく教会カンタータのこと)とあり、かなり大規模な編成です。

『バッハ事典』によると、その成立は1743~46年だそうなので、BWV1045は、この時期、毎年のように督促されていた市参事会員交代式のためのカンタータのシンフォニアだったのかもしれません。ともかく、この輝かしいシンフォニアを鈴木雅明らの演奏(補筆も鈴木)できくことにします。

CD : BIS-SACD-1801(BIS Records)

BIS-SACD-1801

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このところゆっくりバッハをきいている時間がなく、今日もきくのは「小プレリュードとフーガ」。これからきくのは変ロ長調のBWV560で、「トッカータ風」(『バッハ事典』)のプレリュードと、「ややぎこちない主題」(『同』)によるフーガによる組みあわせです。このBWV560で、ヴァインベルガーの演奏できいてきた2度目の「小プレリュードとフーガ」も最後。

CD : 777212-2(cpo)

777212-2

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一昨日、昨日に続き、今日も「小プレリュードとフーガ」。これからきくイ短調のBWV559は、「さしずめ小トッカータ」(『バッハ事典』)といえるプレリュードと、「ジーグ風」(『同』)のフーガの組みあわせです。プレリュードもフーガも若々しく、緊張感もほどほどにあり、「小プレリュードとフーガ」のなかでは一番好きな曲。オルガンはヴァインベルガーです。

CD : 777212-2(cpo)

777212-2

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今日のバッハは、昨日に続き「小プレリュードとフーガ」で、きくのは第6番のト短調です。このBWV558は、静かなプレリュードと4声のフーガの組みあわせ。プレリュードはややもどかしさを感じますが、フーガはイタリアの協奏曲を想起させるような活発なものです。演奏はヴァインベルガーです。

CD : 777212-2(cpo)

777212-2

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「バッハの作品であることが疑わしい」(『バッハ事典』)とされる「小プレリュードとフーガ」。これからきくのは、その第5番のト長調です。このBWV557は、5小節ほどのグラーヴェのあとアレグロにかわるプレリュードに、3声のフーガからなっていて、ちょっと未熟な感じがする作品です。演奏はヴァインベルガーのオルガンです。

CD : 777212-2(cpo)

777212-2

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曽根麻矢子の演奏できいてきた「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」も、これからきくロ短調の第24番でようやくおわりです。このBWV869のプレリュード(アンダンテ)と4声フーガ(ラルゴ)は、曲集の掉尾にふさわしい深遠な楽曲で、プレリュードは2部形式により、低音の8分音符の歩みが高貴な美しさを生みだしています。続くフーガは、その主題に「12の半音がすべて含まれ」(『バッハ事典』)る壮大なものです。

CD : AVCL-25176-7(avex-CLASSICS)

AVCL-25176-7

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曽根麻矢子による「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」、これからきくのはシャープが4つのロ長調の第23番。このBWV868は、「その冒頭モティーフが、続く4声のフーガ(4/4)の主題ともなっている」(『バッハ事典』)19小節の小粋なプレリュードと、34小節の4声フーガの組みあわせです。

CD : AVCL-25176-7(avex-CLASSICS)

AVCL-25176-7

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「汝まことの神にしてダヴィデの子よ」は、昨年の復活節前第7日曜日(2009年2月22日)にきいた「BWV22と並ぶ、トーマス・カントル採用試験曲」(『バッハ事典』)です。バッハ学者ヴォルフによれば、BWV22が説教前に、そしてBWV23が説教後に演奏されたとのこと。「当世風様式をもつBWV22とは対照的に」(『同』)、このBWV23はとても真摯な気分のカンタータで、これをはじめてきいたリヒターの演奏は、まさに粛然とした気分にさせる名演だったと思います。しかし、これからきくのはガーディナーの演奏。第3曲や第4曲の合唱は、高揚感があり、気迫がこもったものです。

CD : SDG 118(SDG)

SDG 118

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