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毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




春分の日、午後のひとときに楽しむのは、ヴォルフガング・リュプサムが1998年に録音した「Johann Pachelbel: Organ Works」(NAXOS 8.554380)です。近年のリュプサムは、リュート・チェンバロを弾いての録音成果が多く、今週レギュラーできいている「J.S. Bach: 6 English Suites」もそのひとつです。ここできく「Johann Pachelbel: Organ Works」は表題どおり、ヨハン・パッヘルベルのオルガン曲を19曲収録。使用楽器はヨハン・ネポムク・ホルツヘイが1785年から1787年にかけて建造した、聖ペトロと聖パウロ旧修道院教会(ドイツのラーヴェンスブルク近郊のヴァイセナウ)のオルガンです。ここでは16曲のオルガン自由曲から何曲か選んできいていきます。

8.554380

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今夜しばしのあいだ楽しむのは、オーガスタ・マケイ・ロッジの「Beyond Bach and Vivaldi」(NAXOS 8.573893)です。ロッジはアメリカのヴァイオリン奏者。アルバムは2017年の録音で、収録曲は「Rare Unaccompanied Works for the Baroque Violin」という副題が示しているように、バロック時代のめずらしい独奏ヴァイオリン曲が集められています。ここでは、アルバム劈頭のニコラ・マッテイス子の「アリア・ファンタジア」と、ほかにいくつかみつくろって楽しみます。

マッテイス子(1690年ごろ~1749年、アルバム解説書では1670年代後半~1737年)は、同名の父(1650年ごろ-1713年以後)と同じく、すぐれたヴァイオリン奏者、作曲家です。「アリア・ファンタジア」は87小節の、ほぼアルペッジョのみの楽曲。今日の午前中にきいた、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番のチャッコーナ(シャコンヌ)にもアルペッジョの部分がありますが、長さではマッテイス子がまさります。

「アリア・ファンタジア」はロッジの録音後、多くの奏者の録音が続いており、イザベル・ファウストも2020年に録音しています。ファウストの演奏はアルペッジョの中にもこまやかな表情があり、一聴に値するもの。また、ファウストのアルバムはロッジのそれとプログラム構成が似ており(両アルバムとも「アリア・ファンタジア」にはじまりハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバーのパッサカリアでおわる)、後輩のアルバムへの密かなオーマジュかと思ってしまいます。

8.573893

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今宵楽しむのは、大江戸バロックの「コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ集 Op. 5」(ALM RECORDS ALCD-1135.1136)です。大江戸バロックは、いま本流できいている桐山建志のヴァイオリン、そして大塚直哉のチェンバロによるユニットで、同アルバム(2012年録音)には表題通りコレッリの作品5のヴァイオリン・ソナタ全曲を収録。近年の同曲集の録音では情趣色濃く鋭く切れ込むような演奏もありますが、桐山のヴァイオリンは、コレッリの伝えられるところの品格にふさわしい、さわやかで格調高い音楽をきかせます。気温も下がってきているので熱いお茶でも用意し、同アルバムから気のむくままに何曲か楽しむことにします。

ALCD-1135.1136

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元日の夕べにきくのは、ブルーノ・ターナーたちによる「Josquin des Prez: Motes」(deutsche harmonia mundi 82876 69993 2)です。アルバムは表題どおり、ジョスカン・デ・プレのモテットを6曲収録。往年の名重唱団、プロ・カンティオーネ・アンティクヮをはじめ、テルツ少年合唱団員(ソプラノ)、コレギウム・アウレウムの団員、ハンブルク古楽管楽団員が参加しての録音(1971年)で、少年と成人男性の重唱によってモテットが歌われています(楽器はすべて歌唱声部の重複[コラ・パルテ])。近年ではこういう編成での録音はまれになったので、とても貴重な録音といえます。ルネサンス期モテットの歌唱の主流は混声の重唱で、楽器の重複もありません。ちょうどいま、男声ばかりの「クリスマス・オラトリオ」をきいているので、ターナーたちのアルバムから何曲か選び、紹介がてら楽しみむことにします。有名な「アヴェ・マリア」(Ave Maria .... Virgo serena)もききましょう。

82876 69993 2

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昼下がりのひとときにきくのは、いま本流できいているヴァイオリン奏者、エリザベス・ウォルフィッシュの「Violin Masters of The 17th Century」(hyperion CDA67238)です。アルバム(2000年録音)には表題どおり、17世紀(後半)に活動したヴァイオリンの巨匠たち、ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー、ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー、ヨハン・パウル・フォン・ヴェストホフ、ニコラ・マッテイス父の4人12曲が収録。それらからいくつか選んで楽しみます。なお、ビーバーは「ロザリオのソナタ」からパッサカリアが収録されていますが、ウォルフィッシュには2005年録音の「ロザリオのソナタ」全曲の録音もあります。

CDA67238

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今宵きくのは、いま本流できいている曽根麻矢子の「Domenico Scarlatti - Sonates Inedites」(ERATO 4509-94806-2)です。1993年に録音されたアルバムは、表題どおりドメニコ・スカルラッティの未出版のソナタ14曲を収録。これから何曲か選んで楽しみます。使用楽器は本流できいている楽器ではなく、製作者は同じデイヴィッド・レイながら、フランソワ・エティエンヌ・ブランシェの1733年製にもとづくチェンバロです。

4509-94806-2

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そろそろ日付が替わろうかという夜更けにきくのは、いま本流できいているセルゲイ・マーロフによる「Paganini: 24 Capricci, Op. 1」(Solo Musica SM 382)です。ここでのマーロフの楽器はフェルディナンド・ガリアーノと、ヤマハの5弦エレクトリック・ヴァイオリン。ピリオド楽器による録音もありえたのでしょうが、もちいたのは前記のヴァイオリンです。エレクトリック・ヴァイオリンによるコラージュのような即興や、第5番の主題と変奏(ともにマローフ)もおもしろいのですが、ここではカプリースから何曲か選んで楽しむことにします。

SM 382

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先週からレギュラー(本流)できいている、ナイジェル・ノースのバッハ。ノースはバッハだけでなく、さまざまな音楽家の独奏やアンサンブル録音がありますが、やはりきくべきはジョン・ダウランドやヘンリー・パーセルといったイギリスの音楽家たちの録音でしょう。今宵、本流をはなれて楽しむのは、ダウランドのリュート曲。ノースは4巻からなる「リュート曲全集」を録音しており、ここでは楽しむのはその第2巻「Dowland's Tear」(NAXOS 8.557862)です。このアルバムには有名なラクリナ・パヴァンなど17曲を収録。そのうちいくつかを気のむくままに楽しみます。使用楽器はレイ・ナースによる10コースのリュート(1980年)。録音は2005年です。

8.557862

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今宵楽しむのは、イギリスのアンサンブル、ソネリーの「Corelli:Violin Sonatas, Op. 5」(ERATO 7243 5 62236 2 2)です。このアルバム(1988年および1989年)には、いま本流できいているナイジェル・ノースが参加しており、収録された12曲のソナタから数曲を選んできいていきます。ノース(アーチリュート、テオルボ、ギター)以外の奏者は、モニカ・ハジェット(ヴァイオリン)、ミッツィ・メイヤーソン(チェンバロ、オルガン)、サラ・カニンガム(チェロ)。ソネリーは1982年に結成。編成によって、アンサンブル・ソネリー、トリオ・ソネリーの名称をもちいます。四半世紀まえの録音で、しかも奏者がイギリス勢ということもあってか、近年の演奏にくらべると、表出された情趣はややおとなしめです。

7243 5 62236 2 2

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今宵きくのは、イザベル・ファウストのヴァイオリン、ジョヴァンニ・アントニーニ指揮のイル・ジャルディーノ・アルモニコによる、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト「ヴァイオリン協奏曲集」(harmonia mundi HMC 902230.31)です。2024年12月には録音メンバーでの来日公演が決まっていますが、演奏会にはざんねんながら参加できません。その代替にはなるはずもないのですが、しばしの時間、CDでファウストのモーツァルトを楽しむことにします。アルバムにはヴァイオリン協奏曲第1番から第5番、変ロ長調とハ長調のロンド、ホ長調のアダージョが収録されており、ここでは第1番と第3番をきいていきます。録音は2015年なので、いま本流できいている「ブランデンブルク協奏曲集」より6年まえの収録ということになります。

HMC 902230.31

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今宵楽しむのは、ジョナス・デスコットとアンサンブル・レザルゴノーツによるジョージ・フレデリック・ヘンデルの「主は言われた」(HWV232)です。「主は言われた」はイタリア時代のヘンデルの傑作で、1707年7月16日の「カルメル山の聖母」の祝日の晩課で初演されたとされます。一般的にその演奏は、壮麗な方向へ傾斜し、おおきめな編成でおこなわれます。

しかし、デスコットたちのアルバム「Händel, Lotti: Dixit Dominus」(Aparte Music AP361)に収録された「主は言われた」は、対照的にすべてパート1名(通奏低音をのぞく)という小さな編成での録音。じゅうらいの「主は言われた」(ひいてはヘンデル)のイメージを大きく変える演奏です。歌手の適性にはややバラツキがありますが、演奏そのものもなかなかきかせます。

ヘンデルの曲中でもっとも好きな第8曲、「彼は道のほとりの川からくんで飲み、それによって、そのこうべをあげるであろう」も美しい演奏。ただし、パート1名ゆえに、ソロ(第1、第2ソプラノ)とカペッラ(テノールとバスのトゥッティ)の音楽的遠近には欠けるところもあるかと。それはともかく、デスコットたちの録音は歓迎すべき挑戦(アンサンブル名にもふさわしい)といえます。録音は2023年です。

AP361

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今宵楽しむのは、いまきいているクリストフ・ルセにからめて、ルセたちによるフランソワ・クープラン「リュリ賛」です。同曲が収録されているアルバムは、「Couperin: Ariane consolée par Bacchus」(Aparte Music AP130)。「リュリ賛」のほか、クープランの新発見のカンタータで世界初録音となる「バッカスに慰められるアリアーヌ」、そして「コレッリ賛」が収録されています。

これからきく「リュリ賛」は、パルナッソス山に招かれたジャン・バティスト・リュリが、先に招かれていたアルカンジェロ・コレッリと互いに演奏を披露し、また共に演奏する、という趣向の一連の曲。曲にはフランス語の表題がそれぞれ付けられており、これを役者なり奏者なりが読み上げる録音も多く、ルセの録音でもそうなっています(声が似ている気がするので、ルセが読んでいるのかもしれません)。

録音は2016年。チェンバロを弾くルセのほか、レ・タラン・リリクはフルートやオーボエといった木管楽器ふくむ7名で編成されており、ヴィオラ・ダ・ガンバの酒井淳が参加しています。ちなみに、「リュリ賛」と似たような着想の「コレッリ賛」も、まったく同じ編成で録音されていますが、フランス様式とイタリア様式を対比させた「リュリ賛」のほうが規模も大きく楽しめます。

AP130

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今夜きくのはバッハをはなれ、「Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Concertos KV. 413, KV. 414 & KV. 415 by La Petite Bande」です。このアルバムには表題どおり、ピアノ協奏曲第11番、第13番、第12番が収録されており、ここでは第11番(独奏はマリー・クイケン)と第12番(同じくヴェロニカ・クイケン)を楽しみます。ラ・プティット・バンドとの共演とはいうものの、実態はピアノと弦楽四重奏(ピアノ五重奏)で、第1ヴァイオリンはシギスヴァルト・クイケン、第2ヴァイオリンはサラ・クイケン、ヴィオラがマルレーン・ティアーズ、コントラバスがエリーセ・クリスティアンスというアンサンブル。夫妻と娘たちが共演してのピアノ協奏曲の録音(2016年)は、録音史でもけっこうめずらいのではないでしょうか。

CC72752

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今宵楽しむのは、ポーランドの撥弦楽器奏者、クラウディナ・ゾウニエレクの「Dialogue」です。このアルバムは、先週前半にきいていたアニエス・ボワソンノ・ギルボーとノラ・ダルガザンリの「Bach | Suites FranÇaises 」と同じく、Bandcampで購入したもの。おそらく「Dialogue」はBandcampのみでの販売とみられます。

ゾウニエレクの経歴についてはよくわかりませんが、Youtubeには公式チャンネルKlaudyna Żołnierekがあり、6年まえから投稿がはじめられています。ゾウニエレクを知ったのはそのころでしたが、しばらくは音声のみの2動画があるのみ。投稿がふえてきたのは3年ほどまえからで、2年ほどまえからは、マリア・ヴィルゴスとの「AbsoLutes」というチェンネルでの投稿もはじめています。

これから何曲か選んで楽しむ「Dialogue 」は、2021年9月の録音。ロベール・ド・ヴィゼー、エヌモン・ゴーティエ、ジャック・ガロ、シャルル・ムートン、フランソワ・クープラン、シャルル・ブーケの曲を、テオルボとバロック・リュートを弾きわけ、たっぷりときかせてくれます。ハイレゾではないのが惜しいところですが、楽器の響きはじゅうぶん美しくとらえられています。

Dialogue

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今夜、しばしのあいだ楽しむのは、フォルテピアノ奏者、伊藤深雪の「モーツァルトの旅路」(TRITON OVCT-00038)です。なぜ唐突に伊藤深雪かというと、手すきのときに書棚のファイル整理をしていたら、伊藤の演奏会のチラシとプログラムを目にしたため。奥の方にしまっていたため、ひさびさに目にしたのですが、演奏会はケルンからの帰国直後(1991年)におこなわれたもので、前記アルバムの録音でももちいている、ヨハン・アンドレアス・シュタインのフォルテピアノ(ミヒャエル・ヴァルカーの1989年製)を弾いてのものでした。

そのときの演奏会はまだ伊藤の知名度の低かったこと、当時としてはフォルテピアノがあまりなじみのない楽器だったこともあり、お世辞にも盛況とはいえないものでした。また、聴衆の多くをしめていたのが、どうやら伊藤の家族縁戚、学友らしきかただったようで、なんだかひとり、場違いな感じもありました。が、プログラムの構成(解説も伊藤)、演奏ともにとてもすばらしく、興奮したことを憶えています。ここできくアルバムは2006年の録音。ピアノ・ソナタ第11番(K.331)とピアノ・ソナタ第8番(K.310)の2曲を選び楽しむことにします。

OVCT-00038

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