今週は、桐山建志と小倉貴久子の「バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ シューマンとメンデルスゾーンによるピアノ伴奏付」を収録順に楽しんできました。のこるのは無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番(BWV1006)で、6曲の「無伴奏」の中では、もっと違和感のない「ピアノ付」だと感じます。それが「6曲を通して、シューマンの伴奏書法が深化」(星野宏美の解説)したためなのか、これまでの5曲でなれてきたためのか、あるいは両方なのかもしれませんが、とにかくそう感じます。
桐山は解説で、「19世紀のバッハ像を感じ取ることにによって、今後のバッハ演奏にさらに奥行きが生まれる可能性」について言及していますが、これはバッハ聴にもあてはまること。さらに、シューマンの時代にピリオドな演奏も、CDの価値を高めています。使用楽器は、桐山がジャック ボケイ製ヴァイオリン、小倉がヨハン・バプティスト・シュトライヒャー製フォルテピアノ。ピッチはA=435Hz 1/8。録音は2019年です。
CD : ALCD-9204,9205(ALM RECORDS)