今日からきいていくのは、タチヤナ・ヴォロビヨーヴァの「Johann Sebastian Bach ...con passione」です。ヴォロビヨーヴァはラトビアのチェンバロ奏者。アルバムは2023年の録音で、5曲のバッハが収録されており、これから楽しむのはアルバムの収録順どおり、ヘ短調の組曲(BWV823)です。
この組曲はプレリュードにロンドー風サラバンドとジーグという3曲からなっていて、バッハのほかの組曲くらべるとずいぶん小ぶりです。ヴォロビヨーヴァが弾くのは、公式サイトにも掲載されている、ティトゥス・クライネンの2004年製チェンバロ(ルッカースによるフレミッシュ・タイプの2段鍵盤)です。
ところで、この組曲のジーグをきくとき、思いい出すのがカンタータ「汝なんぞ悲しみうなだるるや」(BWV107)の第7曲(コラール)。それほど何度もきいているわけではないのですが、ちょっと似ているところもあるなあ、と。コラールを彩るオーケストラの一部旋律との類似が、そういう連想をさせるのかもしれません。
CD : MDG 921 2311-6(MDG)