毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




昨日からききはじめたダニエル・コルゼンパの「平均律クラヴィーア曲集 第2巻」。コルゼンパは、チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ、オルガンをひきわけているのですが、今日きくハ短調の第2番ではチェンバロを選択しています。ロバート・レヴィンも同じくチェンバロで(楽器選択の一覧は「『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』の楽器選択(ダニエル・コルゼンパ)」)、このBWV871については、チェンバロこそがふさわしい、ということなのでしょう。表出力のあるフーガは、陰影のつくクラヴィコードできいても味わいがあると思うのですが、スケール感に乏しくなるということなのかもしれません。

CD : 446 690-2(PHILIPS)

446 690-2

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ダニエル・コルゼンパが、チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ、オルガンをひきわけた「平均律クラヴィーア曲集 第2巻」。コルゼンパは、ハ長調の第1番ではチェンバロを選択。このBWV870のプレリュードのはじめとおわりにある、3小節にわたる保持低音を、ロバート・レヴィンはオルガンにふさわしいとみたのでしょうが(記事「『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』の楽器選択(ダニエル・コルゼンパ)」)、しかし、コルゼンパの選択はチェンバロです。コルゼンパは、フーガのはねるような主題が、チェンバロにふさわしいと感じたのかもしれません。

CD : 446 690-2(PHILIPS)

446 690-2

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今年の4月から5月にかけてきいていたダニエル・コルゼンパによる「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」。紹介したCDには第2巻(1994年録音)も収録されているので、今日から4週にわたって、コルゼンパによる「平均律クラヴィーア曲集 第2巻」をきいていくことにします。それにさきだち、利便性を考えて、「プレリュードとフーガ」ごとの楽器選択を一覧化したた表を掲載しておきます。第1巻と同じく、ロバート・レヴィンによるそれも併記しておきました。

コルゼンパ、レヴィンともに、チェンバロ、クラヴィコード、オルガン、フォルテピアノの4種の楽器を使用しています。一覧表のグレーの背景は、コルゼンパとレヴィンの選択が一致していることをあらわしますが、第1巻にくらべると一致率は下がっています。第1巻では24曲中17曲一致でしたが、第2巻では24曲中9曲に減りました。なお、第1巻の表は、記事「『平均律クラヴィーア曲集 第1巻』の楽器選択(ダニエル・コルゼンパ)」にあります。

「平均律クラヴィーア曲集 第2巻」楽器選択一覧

コルゼンパの使用楽器

  • チェンバロ:ヨーハン・クリストフ・フライシャー(1710年製作1段)
  • チェンバロ:ゴットフリート・ジルバーマン工房(18世紀半あるいは18世紀後半の製作2段)
  • クラヴィコード:ヨーハン・ハインリヒ・ジルバーマン(1775年ころの製作)
  • フォルテピアノ:ヨーハン・ハインリヒ・ジルバーマン(1776年製作)
  • オルガン:製作者不詳(1732年製作1段)


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三位一体節後第5日曜日(2012年7月8日)にカンタータをきいてから、同第6、第7日曜日はカンタータを休んでいました。いろいろなつごうでほかの作品をきいていたからですが、今日の三位一体節後第8日曜日からは、日曜日にはカンタータ、を再開することにします。で、これからきくカンタータは、トン・コープマンたちによる「人よ、汝はさきに告げられたり、善きことの何なるか」。このBWV45は、1726年8月11日に初演された、全8曲の2部からなるカンタータです。といっても、演奏時間は17分ほどですが。

CD : CC 72218(Challenge Classics)

CC 72218

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小川のせせらぎ」週間、その第6日は、シモーヌ・ディナースタインの「ゴルトベルク変奏曲」(TELARC CD-80692)を楽しみます。ディナースタインは、1972年生まれのアメリカのピアノ奏者。2011年の6月末から7月初にかけて、集中的にきいていた「ピアノによるバッハ」でも紹介しました。昨日の日中(それにしても暑かった)、すでに前半をきいているので、これからきくのはフランス風序曲による第16変奏からです。

アルバムは2005年に録音されており、ディナースタインのデビュー・アルバムにあたります(かなり売れたようですね)。アリアはかなりゆったりで、5分39秒。前半くりかえしのさい、一瞬、一時停止がかかったかと思わせる、驚きの「間」も。第15変奏までをさらっときいただけですが、第15変奏をのぞき、くりかえしは励行さていました。第15変奏のくりかえしなしの理由は不明ですが、収録時間のつごうかもしれません。

[追記]くりかえしなしは、第25変奏、第28変奏、そしてダ・カーポのアリアもそうでした。第15変奏ともども、くりかえしなしの理由は不明です。おそらく、音楽的な理由とかではなく、収録時間の問題かと思われます。(2012年7月30日)

CD-80692

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小川のせせらぎ」週間、その第5日は、ミカラ・ペトリ(1958年生)のリコーダーを楽しみます。「バッハ:リコーダー・ソナタ集」(BMG JAPAN BVCC-37649)は、キース・ジャレットとの共演で話題になったアルバムの第2作(第1作はヘンデル)。今夜はそのなかから、ハ長調のソナタ(原曲はフルート・ソナタのBWV1033)をきいてみます。じつは昨日の日中、ララ・セント・ジョンの記事とのつながりで、ロ短調のソナタ(原曲は同じくBWV1030)をきいたのですが、ペトリのリコーダーは、いつもながらじつにうまいですね。しかし、どの音もむらなく、そしてなめらかすぎることが気になってしまうのも事実です。

同じ編成で、ピリオド楽器によるダン・ラウリン(ペトリと同世代の1960年生)とアンナ・パラディーゾの演奏(BIS Records BIS-CD-1895)とくらべると、ざんねんながら、ペトリたちの演奏はアーティキュレーションが単調なのがわかります。もっとも、ペトリたちが1992年、ラウリンたちのが2010年と、録音年代に20年近いひらきがあり、公平ではないかもしれません。個人的な好みをはなれれば、ペトリはまさにリコーダーの天才で、すばらしい音楽家です。しかし、これほどの技術があれば、オルガン奏者のマリー・クレール・アランのように、その演奏様式を変えていくことも可能だと思うのですが。

BVCC-37649

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小川のせせらぎ」週間、その第4日は、ララ・セント・ジョン(2011年1月末から2月にかけての「小川のせせらぎ」週間でも紹介)です。ララがハープ奏者のマリー・ピエール・ラ ングラメと共演した「BACH SONATAS」は、ヴァイオリン・ソナタのBWV1014とBWV1016、原曲がフルート・ソナタのBWV1020、BWV1030、そしてBWV1031のシチリアーナを収録しており、今夜はそのなかからBWV1030を楽しみます。

昨日の日中にきいたBWV1014(ロ短調のヴァイオリン・ソナタ)では、第1楽章がおどろくほどの弱音ではじまります。全体としても弱音主体ですが、静かながらもずいぶん奔放な演奏のように感じます。ピリオド楽器のヴァイオリンとチェンバロにくらべると、非ピリオド楽器のヴァイオリンとハープは、ダイナミクスをひろくとれ、その特長を敷衍していくと、こんな風になるのかとも思いました。

ANC139

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小川のせせらぎ」週間、その第3日は、個性的美女ヒラリー・ハーンの「BACH Violin and Voice」(Deutsche Grammophon 477 8092)を楽しみます。ハーンは、2011年1月末から2月にかけての「小川のせせらぎ」週間に続いての登場。「BACH Violin and Voice」は、その表題のとおり、ヴァイオリン・オブリガートをともなう、受難曲、ミサ曲、カンタータのアリアや二重唱(ハーン曰く「ポリフォニー作曲家バッハの技巧的キモ」)ばかりで構成されています。主役はあくまでハーンなのでしょうが、共演のクリスティーネ・シェーファーとマティアス・ゲルネの、バッハのアリア・二重唱集とみることもできます。

さて、昨日の日中に、すでに半分(第1曲から第6曲)きいてみたのですが、かつてきいた協奏曲にくらべ、うまいぐあいに脱力しているように感じました。しかし、この録音のまとめ役はだれなのでしょう。共演するミュンヘン室内管弦楽団を指揮するアレクサンダー・リープライヒなのか、それともハーンなのか。ハーンの技巧はさすがなのですが、独唱者や指揮者とは、どれくらい意思疎通があったのでしょう。とくにシェーファーが不安定なので、なおさらそんな風に思えました。ハーン発案という好企画アルバムなのに、メダルを狙う競技者が予選で流しているようでもあり、ちょっとざんねんです。

477 8092

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クラシック音楽家美女列伝をかねた「小川のせせらぎ」週間、その第2日は、アンネ・ゾフィー・ムターのバッハを楽しみます。ムターは1963年生まれなので、昨年の「小川のせせらぎ」週間できいたヴァイオリン奏者たち、昨日のアン・アキコ・マイヤーズより、ひとまわり近い先輩世代です。ヘルベルト・フォン・カラヤンとの共演が、ムターを一躍有名にしました。巨匠との共演のみならず、現代音楽にも積極的にとりくみ、いまは「ひき振り」もするなど、経験豊かな奏者になっています。

深夜に楽しむムター「ひき振り」の「ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042」(共演はトロンハイム・ソロイスツ)は、「In tempus praesens - Bach」(Deutsche Grammophon 477 7450)と題されたアルバムに、BWV1041やグバイドゥーリナへの委嘱作品、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲「In tempus praesens」(今この時の中で)とともに収録されたもの。BWV1041をきいた感じでは、トリルなどに古さも感じますが、全体としては軽快で、音楽によどみがありません。

477 7450

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今週は本流からはなれ、支流の「小川のせせらぎ」週間として、非ピリオド楽器によるバッハを、いろいろと楽しもうと思います。できれば、クラシック音楽家美女列伝もかねて。で、今日きくのは、アン・アキコ・マイヤーズのバッハ。マイヤーズは、1970年生まれのアメリカのヴァイオリン奏者で、その名から想像できるように、父親がドイツ系アメリカ人、母親が日本人です。1972年生まれの諏訪内晶子とは、ジュリアード音楽院時代がかさなっているかもしれません。

これから楽しむ「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043」は、マイヤーズが、1697年製と1730年製のストラディヴァリウスをひいて、独奏を多重録音(2011年5月と9月)した、一人二役のめずらしい演奏(共演はイギリス室内管弦楽団)。このBWV1043が収録されたアルバム「Air: The Bach Album」(eOne EOM-CD-7785)は借りもので、マイヤーズもYouTubeあたりの映像でみた記憶はあるのですが、まともにきいたのはこれがはじめてのような気がします。

2011年1月末から2月にかけ、「小川のせせらぎ」週間としてきいた美女たち(ララ・セント・ジョン、ヒラリー・ハーン、諏訪内、ユリア・フィッシャー)のBWV1043にくらべると、第3楽章は速めですが、ほかは同じようなテンポ感です。ほかの収録曲を何曲かちらっときいた感じだと、マイヤーズのバッハに演奏様式の古さを感じましたが、BWV1043ではどうなのでしょうか。古さを感じさせる原因は、艶やかな美音をきかせるためのビブラートにあるのかもしれません。

EOM-CD-7785

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日曜日の昼下がり。午前中、うるさく鳴いていたセミの声も止み、平日とくらべるととても静かです。こうしたひとときに、コーヒーを飲みながらききたくなるのは、ジャズによるバッハ。これから何曲かきくのは、中古で入手したティム・ハーディン・トリオの「JAZZで聴くアーバン・クラシック~背中のあいたドレスを着て」(ビクターエンタテインメント VICG-5136)。このCDには、アルビノーニ、ヴィヴァルディ、マルチェッロ、ヘンデル、ハイドン、ゴセック、ボッケリーニの著名曲が収録されています。バッハについては、チェンバロ協奏曲第5番(BWV1056)のラルゴ、管弦楽組曲第3番(BWV1068)のエールと、いわゆる「バッハのメヌエット」(BWV Anh.114)もとりあげられています。しかし、この「JAZZで聴くアーバン・クラシック~背中のあいたドレスを着て」、やはり商業的にはこうした雰囲気ある題が必要不可欠ということなのでしょうか。海外版では「Jazz Trio Plays Classics Vol.1」と、そっけないほどなのですが。

VICG-5136

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今朝はひさしぶりによい天気。今年はじめてセミの声もきくことができました。といっても、まだ上々の天気とはいえず、昨日までの不安定さが、上空にはまだのこっています。さて、月曜日からきいてきたホプキンソン・スミスによるバッハのリュート作品、のこりはト短調のフーガのみとなりました。ふだんの日曜日はカンタータをきいていますが、きりがよいので、今日はそのフーガをきくことにします。なお、このBWV1000は、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 BWV1001」第2楽章にもとづく編曲です。

CD : E 3000(naïve)

E 3000

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ホプキンソン・スミスによるバッハのリュート作品、これからきくのはハ短調のプレリュードです。このBWV999は「リュートでも演奏可能」(『バッハ事典』)ですが、「現存する筆写譜は、鍵盤楽器用に手直しされている可能性」(『同』)もあるそうです。このブログでは、リュートで2回、リュート・チェンバロとチェンバロでそれぞれ1回きいていますが、どの楽器できいても楽しめます。

CD : E 3000(naïve)

E 3000

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日中、ゲリラ豪雨のような大雨に、雷と、ひどい天気でした。そのかわり今夜は昨日のような熱気もなく、すごしやすい夜になっています。音楽をきくにもよい気候なので、これからの時間、しばしマラン・マレのヴィオール曲集第3巻(1711年出版)ですごすことにします(Astrée E 8761)。このCDを選んだのは、いまバッハのリュート作品をきいているホプキンソン・スミスが、この録音に参加しているから。スミスはその経歴の初期、ジョルディ・サヴァール、トン・コープマンたちとともに、エスペリオンXXのメンバーとして活動していました。このヴィオール曲集第3巻の録音は1992年で、活動の重心をソロにうつしてからのものですが、かつてと同じく、サヴァール、コープマンとの共演です。

E 8761

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録音からすでに30年ほどが経過した、ホプキンソン・スミスによるバッハのリュート作品。スミスにとって、これははじめてのソロ・アルバムで、30歳代半ばの録音でした。それから積み上げたディスコグラフィーですが、リュート作品は現在にいたるまでこれだけ。そろそろ再録してもよさそうなのですが、どうなのでしょう。さて、これからきくのはホ長調のリュート組曲(パルティータ)。このBWV1006aは、その番号がしめすとおり、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番(BWV1006)からの編曲です。

CD : E 3000(naïve)

E 3000

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