今週のバッハは、リチャード・エガーが2016年に録音した「パルティータ全集」を楽しんできました。使用楽器は、リュッカース(1638年製)によるジョエル・カッツマンのチェンバロ(1991年製)で、ピッチはA=399に調律されています。これからきくのは、番号どおりにきいてきたのでパルティータの第6番(BWV830)。この第6番の導入楽章はトッカータ(もともとはプレリュード)と題されていますが、中間部はフーガとなっており、これだけでも独立した楽曲になりそうな規模です。エガーの演奏はそのトッカータをふくめ、スケール感あふれるもの。個人的にはあまり相性のよくない奏者ですが、バッハが入念に磨きあげた第6番をじゅうぶんに楽しませてくれます。
CD : HMM 907593.94(harmonia mundi)