毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




昨日に続き今日もきくのは「ゴルトベルク変奏曲」。今日の弾き手はブルガリアのピアノ奏者リリア・ボヤディエヴァで、録音は2017年におこなわれました(Centaur CRC 3712)。ボヤディエヴァのバッハをきくのはこれがはじめてで、この「ゴルトベルク変奏曲」も全くの未聴。ジャケット写真にはボヤディエヴァの後ろにスタインウェイがみえているので、おそらくピアノはこれを弾いていることと思われます。CDには「ゴルトベルク変奏曲」のほかに「主よ、人の望みの喜びよ」のピアノ編曲も収録されており、それをふくめた収録時間は62分31秒なので、反復記号は完全励行されていないとみられます。

CRC 3712

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これから楽しむのは、水永牧子による「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)です。録音(2018年)でのアリア、変奏曲の反復については、第7変奏、第11変奏、第19変奏、第20変奏のみ完全励行(AABB)です。アリアはダ・カーポ後もふくめ反復なし(AB)で、ほかは同じく反復なしか、前半のみの反復(AAB)です。CDの収録時間は52分45秒なので、反復をするしないは、収録時間の問題ではないことはたしかです。32曲中20曲が反復なしなので、おそらく、基本は反復なしで、あとは水永の判断(好み)での反復なのかもしれません。

それより、やはり特筆すべきは演奏のおもしろさでしょう。かなり即興的な装飾を入れていますし、第8変奏と第9変奏のあいだ、そして第21変奏と第22変奏のあいだにはカデンツァが入っています。曲中の装飾もカデンツァもどちらも趣味がよく、これほど入った演奏はあれこれ思うなかでは記憶にありません。アリアもダ・カーポ後はたくさんの装飾が入っていますが、個人的な好みだと、はじめに装飾のおおいこれをおいて、おわりはおとなしくでもよかったかと思います(CDだから好みで曲順をかえればよいわけですが)。

なお、解説書にはクープランのクラヴサン(チェンバロ)曲のような、水永による表題が付いています。たとえば、アリアが「我が家」だったり、第1変奏が「少年のスケートボード・ジャンプ」であったり、ダ・カーポ後のアリアが「帰宅~安堵とともに~」だったり。「現代的な言葉のもあるけれど、この音楽をより親しく感じていただけたら、幸いである」(水永「CD録音にあたって」)とのことです。録音は2018年、チャボヒバホール(立川市)でおこなわれています。

CD : PCD-1801(Pooh's Hoop)

PCD-1801

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今日これからきくのは、チェンバロ協奏曲第1番(BWV1052)にもとづくヴァイオリン協奏曲。再構成はヴィルフリート・フィッシャーとカティ・デブレツェニで、デブレツェニはもちろんヴァイオリン独奏も務めています。フィッシャーはドイツの指揮者、ピアノ奏者で、また、バッハの失われた独奏楽器のための協奏曲の再構築で知られており(「Verschollene Solokonzerte in Rekonstruktionen」Bärenreiter-Verlag)、デブレツェニはこれにさらに手をくわえて録音(2018年)したようです。昨日のヴァイオリン協奏曲第2番とはちがい、力強いトゥッティからはじまる演奏は、じつに推進力に満ちたもので、これは共演するジョン・エリオット・ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツのいつものスタイルといえるでしょう。

CD : SDG732(SDG)

SDG732

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今宵これから楽しむのは、カティ・デブレツェニ、ジョン・エリオット・ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツによるヴァイオリン協奏曲第2番(BWV1042)です。弱音からはじまるトゥッティがおもしろい第1楽章。続く第2楽章はほの暗いオスティナート上でデブレツェニが情趣豊かに歌をつむいでいきます。第3楽章は躍動感のある音楽で、引きしまったアンサンブルは指揮者ガーディナーの存在ゆえでしょう。録音は2018年です。

CD : SDG732(SDG)

SDG732

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今日これから楽しむのは、昨日にひき続き、カティ・デブレツェニ、ジョン・エリオット・ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツが2018年に録音したCDから、ニ長調のヴァイオリン協奏曲です。このヴァイオリン協奏曲は、チェンバロ協奏曲第2番を再構成(復元)した協奏曲。原調ホ長調をヘ長調に移調して、オーボエ協奏曲として再構成されていますが、このブログでも紹介したように、オーボエ・ダモーレ、ヴィオラ、リコーダー、オルガンを独奏とする、ニ長調の協奏曲として再構成されることもあり、ここではデブレツェニがヴァイオリンを独奏とする協奏曲として再構成しています。

CD : SDG732(SDG)

SDG732

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今日から楽しむのは、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、カティ・デブレツェニのヴァイオリン独奏、そしてイングリッシュ・バロック・ソロイスツ(EBS)による4曲のヴァイオリン協奏曲です。デブレツェニはEBSのリーダー。また、オーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトゥンメントも務めるすぐれたヴァイオリン奏者です。CDの録音は2018年で、伝承されたヴァイオリン協奏曲2曲と、チェンバロ協奏曲から再構成(復元)されたヴァイオリン協奏曲2曲を収録しており、CDの収録順にきいていきます。これからきくのはヴァイオリン協奏曲第1番(BWV1041)。ガーディナーのもと、EBSは12名編成で演奏しています。

CD : SDG732(SDG)

SDG732

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今日は三位一体節後第22日曜日にあたり、ふだんならカンタータですごすところ。ですが、これからきくのは一昨日からきいている、アレクサンドラ・ブリュワ(ヴァイオリン)とマリア・バナシュケヴィチ・ブリュワによる、オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタです(きりもよいので)。二人はポーランドの奏者で、ともに「ブリュワ」なので近親関係なのかもしれませんが、解説書にもとくに言及はなくはっきりしません。それはともかく、今日きくのはソナタ第3番(BWV1016)です。

すでにきいた2曲もそうですが、アレクサンドラのヴァイオリンは、ビブラートを比較的しっかりつけており、ヴァイオリンの音色などをふくめ、バロック・ピリオドな香りはありません。楽器は、クシュシトフ・クルパ製作のヴァイオリン(フランチェスコ・ルッジェーリにもとづく)です。マリアはあまり前面にでることなくひかえめな感じで、クシュシトフ・クリス製作のチェンバロ(パスカル・タスカンの1769年製にもとづく)をひいています。録音は2013年です。

CD : DUX1494(DUX)

DUX1494

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これからきくのは、アレクサンドラ・ブリュワ(ヴァイオリン)とマリア・バナシュケヴィチ・ブリュワによる、オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタの第2番(BWV1015)です。このソナタはドルチェからはじまりますが、まさに甘美な楽章で、アレクサンドラの演奏は音色もかぐわしく、じつに美しい演奏。使用楽器は、フランチェスコ・ルッジェーリにもとづくクシュシトフ・クルパ製作のヴァイオリンと、パスカル・タスカンの1769年製にもとづくクシュシトフ・クリス製作のチェンバロで、録音は2013年です。

CD : DUX1494(DUX)

DUX1494

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今日から明後日まで楽しむのは、アレクサンドラ・ブリュワ(ヴァイオリン)とマリア・バナシュケヴィチ・ブリュワ(チェンバロ)による、オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタの第1番から第3番です。昨日まで楽しんだリナ・トゥル・ボネットのCDが第4番から第6番までだったので、順番を逆にしたほうがよかったかもしれません。ともかく、これからきくのはソナタ第1番(BWV1014)。録音は2013年で、使用楽器は、アレクサンドラがクシュシトフ・クルパ製作のヴァイオリン(フランチェスコ・ルッジェーリにもとづく)、マリアがクシュシトフ・クリス製作のチェンバロ(パスカル・タスカンの1769年製にもとづく)です。

CD : DUX1494(DUX)

DUX1494

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今日これから楽しむのは、リナ・トゥル・ボネット(ヴァイオリン)とダニ・エスパザ(チェンバロ)による、オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ第6番(2019年録音)です。このBWV1019は、アレグロ―ラルゴ―アレグロ―アダージョ―アレグロという5楽章構成(第3楽章はチェンバロ独奏)。めずらしい構成は初稿からで、5楽章、6楽章、5楽章と改稿されています(録音は最終稿)。

ボネットのヴァイオリンには強靱で情趣の色濃さがあり、その強靱さは両端楽章できくことができます。ちなみに、ボネットはマーラー・チェンバー・オーケストラに参加していたようで、ユジャ・ワンとの録音セッションのPV(クラウディオ・アバド指揮のセルゲイ・ラフマニノフの協奏曲第2番など)に、ボネットの二の腕とおぼしき弓奏する右腕がちらちら映っています。

CD : AP219(Aparte Music)

AP219

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今夕きくのは、リナ・トゥル・ボネット(ヴァイオリン)とダニ・エスパザ(チェンバロ)による、オブリガート・チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ第5番です。このBWV1018は、ラルゴ―アレグロ―アダージョ―ヴィヴァーチェという4楽章からなり、いわゆる教会ソナタ形式の緩急緩急という構成。この中でおもしろいのは第3楽章のアダージョで、ヴィヴァルディの緩徐楽章のようでもありますが、単調な中での変幻自在さはやはりバッハらしいところです。なお、録音されたのは2019年の4月と5月。まだ録音から半年ほどのCDということになります。

CD : AP219(Aparte Music)

AP219

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今日から明後日まで楽しむのは、リナ・トゥル・ボネットとダニ・エスパザによるヴァイオリン・ソナタです。2019年録音のCDには、バッハのソナタ第4番から第6番(BWV1017からBWV1019)、そしてヘンデルのニ長調とニ短調のソナタ(HWV371とHWV359a)が収録されており、ここではもちろんバッハのみを番号順にきいていきます。ということで、これからきくのはソナタ第4番。使用楽器は、ボネットがニコロ・アマティ(1740年ごろ)のヴァイオリンで、エスパザはマルク・デュコルネ(2003年)のチェンバロ(モデルは1646年製ルッカースのをパスカル・タスカンが二段鍵盤チェンバロに改修したもの)です。

CD : AP219(Aparte Music)

AP219

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これから楽しむのは、リサ・ベズノシウク、エリザベス・ウォルフィッシュ)、ポール・ニコルソン、オーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトゥンメント(OAE)によるフルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲(BWV1044)です。先週後半にきいていた3曲の協奏曲は、失われた原曲をチェンバロ協奏曲から再構成(復元)したものでしたが、こちらはきちんと伝承された協奏曲。とはいっても、このBWV1044は原曲を編曲して成立したもので、第1楽章と第3楽章の原曲はイ短調のプレリュードとフーガ(BWV894)、第2楽章の原曲はニ短調のオルガン用ソナタ第3番(BWV527)です。録音はこれまでの6曲とちがい1995年。心なしか、演奏もこれまでより精彩があるような気がします。

CD : 7243 5 61558 2 4(Virgin classics)

7243 5 61558 2 4

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三位一体節後第22日曜日にきくのは、イアン・ボストリッジとエウローパ・ガランテによる「われ哀れなる人、われ罪のしもべ」です。このBWV55は1726年11月17日に初演された、全5曲からなるテノールのためのカンタータ(第5曲は4声体のコラール)。ソプラノやアルト、バスのためのカンタータほど録音はありませんが、エルンスト・ヘフリガー、ペーター・シュライヤー、クルト・エクヴィルツ、アーダルベルト・クラウス、クリストフ・プレガンルディエン、ゲルト・テュルクといった福音史家歌手たちの重要なレパートリーとなっています。ここで歌うボストリッジは、1964年生まれのイギリスのテノール歌手。共演するのはファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテで、第5曲のために、アントニオ・アベーテのような優秀な歌手を3人招いています(つまり合唱はOVPP)。録音は2000年です。

CD : 545420(Virgin classics)

545420

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今宵きくのは、エリザベス・ウォルフィッシュ(ヴァイオリン)とオーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトゥンメント(OAE)によるヴァイオリン協奏曲ニ短調です。この協奏曲はチェンバロ協奏曲第1番から再構成(復元)されたものですが、新バッハ全集による復元版(BWV1052R)のままの演奏ではなく、それをベースに変更をくわえての録音となっているようです。ウォルフィッシュの演奏はまずまずなのですが、ここ10年あまりのすぐれた録音にくらべると、スケール感がやや乏しく感じられます。ウォルフィッシの録音からはすでに30年ほどが経過しているわけで、きき手の要求も高くなり、それをくらべるものどうかしているともいえるのですが。

CD : 7243 5 61558 2 4(Virgin classics)

7243 5 61558 2 4

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