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アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

福島の叫びを私たちの声に

2012年09月09日 | 原発
 福島県民が如何に深刻な被害を受けているかは9月1日におこなわれた「意見聴取会」での30人の意見(1人早退したので29人)に耳を澄ませば、一目瞭然です。ごく一部を転記します。
 (全文は「エネルギー環境の選択肢に関する意見聴取会」http//kokumingiron.jp/)

◎意見表明者1(福島市)
「一番反省しなくてはならない人は、私たちではなくて、事故を起こしたあなたたちなんじゃないですか。一番反省しなきゃならない人が、事故が収束もなんにもしていないのに、なんで再稼働なんですか。根本的に間違っていると思います。」「そういうことに責任をとれない人が、安易に再稼働とか言わないでください。」

◎意見表明者2(伊達市)
「私にとっては、何をどんな選択をしても、本当に手遅れなんです。今もまだまだ苦しい生活をしています。それでも、この苦しみをほかの地域の人に広げちゃいけないとか、これからの世代の人に広げたくないとか、思っています。そういう選択、今の私たちならできるんだから、正しい選択をしたいと思います。」「緑の楽園、子どもにも、孫にも残せない。でも、皆さんにこういうことを、自分もこんなに失ったんだ、つらいんだと言いにきたんじゃないんです。私たちは確かにこんなに多くのものを失ったのに、こういうことを読むと、原発のコストって、ものすごく安いって書いてあるんです。それ、すごく不思議だっていうのを実感しました。」

◎意見表明者3(福島市)
「今回の原発の事故が起こったのも、そういう反対派の人たちの意見を無視して、全く見ないことによって起こったので、そういう反対派の意見もちゃんと直視していくことは絶対に必要だと思います。反対派の意見を押しつぶしてしまうと、また同じような過ちを犯すのではないでしょうか。」「放射性廃棄物の問題もありますし、何かあったときに、一番リスクが高いと思うのが、僕にとっては原子力発電だと思うからです。」

◎意見表明者4(福島県田村市)
「福島の原発で何が起こったのか、何が原因だったのかということ自体、分かっていないんじゃないでしょうか。もう一度、徹底的に、当然福島原発のことについて検証し、他の原発も同じように検証し、今、取り沙汰されている活断層のことなども徹底的に検証し、データを開示して、それで初めて討論ができるような気がしております」「原発を稼働させたとしても、それらの使用済み核燃料をどうするかというのは、日本もそうですけれども、各国も実質的にはどうするか決定されていなく、行き先が決まっていない状態です。どうして負の遺産を未来に残さなきゃいけないんでしょうか。」

◎意見表明者5(田村市)
「地震による影響はほとんどゼロに近いということで、一番の問題は放射能の汚染という問題がいつまでも現実的に、精神的にまとわりついているという事実でございます。」「私は原発はそもそも必要ないと思います。」「未来への問題の先送りは選択すべきではございません。その最大の問題は、核廃棄物の処理にあります。今の時点でも、いずれを選択しても、原発は存在いたします。運転しても、しなくても、リスクは存在します。核廃棄物の処理はごく近い将来行き詰まります。いつ、どこに、誰の責任で、どのように処理し、数万年、数十万年にわたるといわれるリスクを、誰が責任を持って管理するのでしょうか。」「もし同じような事故を繰り返した場合の補償の担保、責任の所在、どうするのでしょうか。いまだに、福島の事故の責任の所在は不明確でございます。国民を担保に事業を展開するような経済活動は、全く理解に苦しみます。」「福島に生きるということは、どういうことでしょうか。われわれは放射性物質の二次的拡散を防ぐためには、腹をくくるしかないと思っております。原発を受け入れたということは、もしやすると、その覚悟も求められたということなのかもしれません。未来への責任は、今をあずかるリーダーにその責任が果たせますか。そして、今日まで無関心で容認してきた、今を生きる私たちに覚悟ができているか。それも問われているのだと思います。」

◎意見表明者6(福島市)
「再開の条件としましては、今回、福島で問題になった放射線の拡散の対応が何もされていない。かえって拡散しているのに、政府は隠しとおして安全だといいながら、間違った指示で、その放射線の流れているところについて、いろんなものを起こしております。」「大臣早く福島の避難している子ども、老人の方たちを地元に返してあげてください。放射線の漏れているような土地、そこは除染しても、元がなければ、放射線は出たままです。きちんと処理してください。」

◎意見表明者7(渡利市)
「根本的に核のゴミは、どこにも捨てられない。その問題は解決できていないわけだし、震災、津波で原発の安全神話なんて消し飛んだ。原子力ムラの電力会社、経済産業省の役人、原子力の学者連中、どいつもこいつも無能な連中ばかり。それがはっきりした。原発の安全性を飛躍的に高める、核のゴミを途上国に捨てるとか、そういう駄目駄目な解決方法ではなくて、ちゃんと科学的に無害化したうえで処理できる。それらがクリアできないかぎり、原発というものは、日本の将来に欠かせないエネルギーと再評価される可能性は、かなり低いだろう。」

◎意見表明者8(会津若松市)
「私はやはり全国全ての原発をただちに廃炉にすべきというふうに改めさせていただきます。」「3点考えてきました。まず第1は、使用済み燃料の安全な処理方法もなく、いったん事故が起きれば、人類の手に負えないことが明らかになった原発はただちに全て廃炉にすべきです。」「福島の現実は、原発があったがゆえに起きたことであり、人類の生存を危険にさらした選択などあり得ようはずがありません。」「第2に法治国家の常識として、今回の大事故の責任の所在を明らかにすることです。必要な注意義務を怠った組織はもちろん、個人にも相応の処罰を下すべきです。事故の原因をつくった、東電、メーカー、施工業者、政府、官僚、学会に対する国民の根深い不信は、時間が経過すれば解消するというものではありません。」「さらに事故後、次々に明らかになった情報隠しについても、かかわった責任者をさかのぼって罰する。例えば、情報を隠ぺいして、国民生活を危険にさらした罪などの法律をつくるべきです。」「福島県産品、福島県民、汚物のように扱う人がいます。悲しいことです。福島県民は触れたからといって、放射能がうつるわけではありません。そのことを全国の人たちには分かってほしいと思います。」

◎意見表明者9(郡山市)
「自分の自室の前が広場になっていまして、そこに大型の遊具が設置されています。その場所で測定してみますと、1時間当たり常時0.8マイクロシーベルト内外の放射線量を示します。法規に定められた放射線管理区域の設定基準を1時間当たり線量に換算すると、単純計算で0.6マイクロシーベルトになります。労働安全衛生法に、事業者は必要のあるもの以外の者を管理区域に立ち入らせてはならないなどと定められています。この広場は本来なら、部外者の立ち入りが厳しく禁止されるはずの放射線管理区域に相当する場所です。ですが現実はどうでしょう。放射線管理区域の標識もフェンスもバリケードなども設置されず、団地住民の幼い子どもたちが自由に出入りして遊んでいます。この団地の管理責任は福島県知事にあるはずです。その県知事が任命した放射線健康リスク管理アドバイザー3名は、健康リスク回避を図らず、もっぱら放射線安全キャンペーンに奔走し、その代表格、山下俊一氏は、ミスター100ミリシーベルトと国際的に揶揄されるありさまであり、山下氏が指導する福島県立医科大学の県民健康調査は、県民に信用されておりません。」「細野豪志原子力行政担当大臣をはじめ、内閣は国民の命と健康、なかんずく子どもたちと命と健康、そして未来を守るといった全体の奉仕者としての公務員の本文を忘れ、倫理的な混迷に陥っています。」

◎意見表明者10(福島市)
「街の中を見ていただくと、あちらこちらにモニタリングポストがあります。そして、天気予報の予報の中に、本日の放射線量、文部科学省発表ということで、必ず入ってまいります。そんな土地に住んでいる私たちは、正常な生活をしているといえるのでしょうか。」「事故から1年以上が経過しても、十分な補償もないし、除染もしっかりされておりません。そういったものが全て個人の責任に期されております。国が責任を持って除染をするといいながら、全然進んでいないというのが実情じゃないでしょうか。」「住み慣れた土地を追われ、仕事を奪われ、家族も分断して、戻ることもかなわない人たちがたくさんいます。小さな子どもを抱えた親は、子どもの低線量被ばくと健康被害におびえています。生存権も保障されていない中で、私たちは日々を送っています。」「私たちは、もう棄民としかいいようがありません。何度も何度も国に捨てられているというふうに、私は感じて、政府の報道を聞くたびに悲しくなってしまいました。」「私には、娘が二人いますが、ここで生活をさせて、子どもを産ませて、ずっとここに置いておいていいものかどうか、親として切実に考えます。後で、子どもにすまなかったと言うような生活が私を待っているのかと思うと、すごくこれも悲しくなってしまいます。」

◎意見表明者11(須賀川市)
「中学1年生から27歳までの5人の子どもを持つ農家の嫁です。きょうも農作業をちょっとしてきました。」「今も使用済み核燃料の処分の方法も先送りで、このまま原発を続ければ、危険も費用もかさむのは目に見えていて、いずれ私たちにさらに重くのしかかってくるでしょう。」「昨年5月23日は、文部科学省に申し入れにも行きました。…屋根もない石畳で、途中小雨が降る中、私たちの必死の申し入れにもかかわらず、学校へ通う子どもたちの年間20ミリシーベルトを撤回していただくことさえできませんでした。なぜ、学校をつかさどる文部科学省が、子どもたちの安全を最優先で動けないのか。私には今も納得できません。」「大飯原発が再稼働するときに、首相は「私が責任を取る」と豪語しましたが、東電の原発事故で誰が責任を取ってくれましたか。ただ辞めたぐらいでは、責任を取ったことになりません。潔く原子力発電をやめていくことでしか、本当の意味で責任を取ったことになりません。」

◎意見表明者12(富岡町)
「ドイツは、福島の事故後いち早く原発廃止を打ち出しています。それなのに、当事国の日本がどうしてできないのでしょうか。決死の覚悟で事故処理に当たった方々、今も作業している方々、そして、いまだに郷里に帰れず、やり切れない思いで不本意な避難生活を余儀なくされている何万人もの人たちに報いるためにも、福島と同じ過ちを二度と起こしてはならないと思います。」

◎意見表明者13(福島市)
「駅前に、こむこむという子どもたちの施設があるのですが、1メートルぐらいの高さなのですが、その線量は、先ほど見てきたら0.58でした。十分な高さです。人はいてはならない福島市なんです。」「まるで放射能戦争の中に子どもをいけにえにしておいて、多くの犠牲を払わざるを得ない、この過酷な中に。そうして初めてやっと議論ですか。いっぱい場を重ねていくんですか。どれだけ時間を重ねるんですか。」

◎意見表明者14(富岡町)
「今も、ご存じのとおり警戒区域に指定されていますので、家に帰ることも、職場にも、そしてふるさとに帰ることもできないまま、避難生活を続けています。」「どれほど多くの人が避難中に亡くなったか。避難直後に亡くなったか。そして、今もバタバタと倒れて亡くなっているか。本当にあんなに元気な人が、あんなに笑顔だった人がという、信じられないぐらい多くの人が亡くなったり、病に倒れたりしている情報を聞かされています。本当に悲しい思いを日々しています。そして、借り上げ住宅や、仮設住宅、そして、一時帰宅の際でも、将来を悲観して自ら命を絶つ人が後を絶ちません。本来であれば失わなくてもよかった命、もっともっと長生きできた命が失われているということを、まず申し上げたいと思います。」「確実に核のごみを10万年もの長い未来に残してしまう。われわれの子どもの孫の孫の孫の孫の孫のその先まで、本当に人類があるかどうか分からない時代まで、核のごみを残してしまうという現実がありますし、一度事故が起こってしまえば、福島原発を見れば分かるように、原状回復は全くできない。福島全体を見てもらえば分かると思いますけれども、本当に皆さん健康被害におびえ、そして、家族もばらばらにされて、あつれきも生じています。一度事故が起こってしまえば、原状回復は不可能だということがお分かりだと思います。」

◎意見表明者15(田村市)
「精製のときから地球を汚しているエネルギー、全然クリーンではない原子力発電所。それで、原発の発電をしているときに冷やすときに出た水。人体には影響はないと海に流しています」「精製のときに地球環境を汚し、電気をつくっている時点でも海を汚し、そしてまた電気を使い終わった時点でも、ごみがどうしようもなくなっている。今、六ヶ所村を動かせば、クリプトン85が大気中に大量に出ます。大気汚染にもつながると思います。だから、どこが原子力発電がクリーンなエネルギーなのかなとちょっと思います。」

◎意見表明者16(福島市)
「私のうちは小さな庭なのですけれども、平常時0.5ミリマイクロシーベルトです。庭の隅のほう、雨水がたまるようなちょっとコケが生えるようなところは1.5あります、非常に高い数値だと思います。」「ひとたび原発事故が起こると、今の福島を見てください。まち、村、、人々、家族、みんなばらばらです。1年4カ月たっても復興の兆しは全く見えません。除染も進んでいません。除染の効果も期待したほどではありません。最近の調査で、学校が再開される状態になっておりますが、元の学校に戻らないという生徒が70%を超えています。」「まち、村に子どもがいません。村はどうなるのでしょう。子どもがいません。生まれる命もありません。村はどうなってしまうのでしょうか。」

◎意見表明者17(福島市)
「どうして原子力村の方々が規制委員会になるのでしょうか。笑ってしまいます、本当に。」「物事には順序があります。事故の後始末もできないのに、どうして再稼働なんでしょうか。」

◎意見表明者18(福島市)
「入学式は予定どおり行われましたが、1学期間中は外での活動は一切できなくなってしまいました。学習では、理科の、畑でのヘチマやジャガイモの栽培も中止。米の収穫体験もできませんでした。体育も体育館だけでの実施で、子どもたちは思いっ切り走ることはありませんでした。休み時間も教室に閉じ込めたままでした。また、暑い中、プールにも入れずに過ごしました。」「子どもが本来自然との触れ合いの中で学ぶべきものが学べなかったことによる経験不足が、大変心配であります。子どもには学ぶべき時期というものがあります。学ぶべきときに学べなかったのは大変大きなことなのだと思います。子どもにとってこの1年5カ月は、大人の1年5カ月に比べ大きな比重を占めており、大変重要な時期だったはずです。このように子どもたちにも大きな犠牲を強いた原発事故を深く反省し、即座に廃炉していただくことを望みます。」「病院のレントゲン室と同じくらいの放射線管理区域内で生活し続けている今の私たちも異常であります。新聞報道では、何パーセントの子どもの尿にセシウムが検出されたとか、甲状腺に異常のある子どもが何パーセント見られたという記事が載っていることがありますが、必ずその後には『健康には影響ありません』とのコメントが付いています。本当に将来にわたって子どもたちの健康に影響はないのでしょうか。」

◎意見表明者19(福島市)
「1 年5カ月たった今、避難している人たちの現状がよくなったと思いますか。慣れない土地で交通事故で命を落とした人、振り込め詐欺に狙われそうになった人、病気を悪化させた人と深刻さを増しています。避難している16万人の思いを受け止めずに原発を廃炉にする努力を惜しんで豊かな森や豊かな海を元通りに戻さないで、放射性物質をそのままにしたまま国は大飯原発を再稼働してしまいました。」「原発の北西60キロのわが家の芝生の放射線量は、1.56マイクロシーベルトと高くて、毎日が不安です。福島市の中では3 番目に高い放射線の土地ですが、1番、2番と高い順に除染しているため、わが町内は来年になるそうです。除染は、思ったほど放射線量が落ちず、なかなか進みません。」「私の隣のうちは放射能の値が私のところよりも高いので、お孫さんたちを県外に避難させました。そして、庭の木を根本から切って除染しました。避難できない家庭では、運動させたいとき、放射線の低い場所に連れていって遊ばせています。」

◎意見表明者20(福島市)
「福島県から県外に避難している18歳未満の子どもは約2万人います。特に福島第一原発事故による避難者は、自分の住んでいた場所に帰れず、いまだに不安な日々を送っています。きょう参加している方にもいらっしゃるようですが、昨年私が担任した子どもたちの中にも、双葉郡から原発事故で避難をしてきた子どもがいました。その子どもは、子どもなんですけど、もう自分が住んでいたところには帰れないと分かっていました。私はそんなことを言ったつもりはないのですが、もう帰れないんだというふうなことを、ほんとに子供心でもちゃんと分かっていて、原発事故が、この子たち地元でどんな活躍をするのかな、そういう将来さえも奪ってしまった。子どもたちの未来を奪ったひどい事故だったということを、もう一度認識しなきゃいけないなと考えているところです。」「子どもたちが通学している道路や側溝の除染は進まない状況で、高いところでは、きのうもほかの学校の方に聞いたらば、実は100マイクロシーベルトある所もあったんだよと聞いて、すごく驚きました。普通の「はかるくん」とかでは測れなかったからちょっと今まで分からなかった所だったようです。そのほかにも、森や山やそういう所は全く手を付けていない状態です。学校の線量を下げるだけでは、子どもたちの被ばくは止められないというのが、今の現状です。」「病院からの搬送途中に亡くなった入院患者の方もいます。そして、避難生活を苦に自殺してしまった人もいるわけです。避難者が体調を崩し亡くなった例も数多く報告されているということは、これらの亡くなった方たちは、原発事故で亡くなったことになるのではないですか。」

◎意見表明者21(富岡町)
「私も原発から8キロ弱の浪江町で専業農家として暮らしていました。現在は6カ所目の移転先、桑折町の仮設住宅で浪江町民と一緒に踏ん張って暮らしています。」「自然災害に想定外はあり得ないと思います。東京電力では自ら想定外と言っていましたが、要するに事故を想定しなかったということは、法律用語で、これは未必の故意ですね。事業者として失格だと思います。自ら原子炉の制御もできず、われわれ避難者に対する対応も満足にできない様を見て、国や政府、東京電力には、原子力発電所を稼働する資格や能力はないと思います。原発は即刻廃炉。これは当然だと思います。もう二度と私たちのような、ふるさとを追われてさまよう避難者は出さないでください。」
私はここにいなきゃならないんですか。「今度の原発事故で、もう浪江町で農業はできません。何げなく暮らしていたふるさと浪江町、あの山、あの川、あの海、あの土地で、あの人たちと魚や山菜、新鮮な野菜など、全てが旬を味わえたふるさと浪江町。先祖代々の土地を守り生きてきた人生の生きざま、これから後世に伝えるべき過去や未来も全て失い、先も見えず町民も皆ばらばらになってしまいました。こんなふるさとを失った悔しさ、分かりますか、あなたたちに。できることなら元に戻してください。ふるさとを返してほしい。それがわれわれ避難者の切なる願いです。」

◎意見表明者22(福島市)
「出身は長崎市でございまして、3歳の時に原爆中心地から3.6キロの所で被ばくをいたしました。福島県にお世話になって36年になるんでございますが、まさかこの地で放射能の心配をしなきゃいかんということは夢にも考えませんでした。」「労働災害をゼロにしようということで皆さん非常に努力いただいてますが、なかなかゼロになりませんですね。これは何でかと言うと、設備的に対応が取れても、最終的には人の要素が残っとるわけです。だからなかなかゼロにならないんですよ。」「労働者が要するに被ばく覚悟で勤務されてると。こういったことが本当に事業として成り立つんだろうかと考えますと、やはり原発は私は早い時期にやめるべきだと思っております。」

◎意見表明者23(矢吹町)
「昨年の東日本の大震災をきっかけに起きたこの福島第一原発の事故で、絶対安全だって言われてきた原子力発電所がメルトダウンをして、いまだに詳しい原子炉の状態や、どの部分がどのように壊れたかというメカニズムさえ明らかになっていない中、どうして原発を動かし続けることができるのか私には理解できません。」「住み慣れた故郷を離れて帰ることもできず、暑くて狭い仮設住宅の中で、生きがいも仕事も奪われて過ごしてる方がたくさんいるんです。きょうの朝メールで、この会場に来るからといって託された思いです。再び原発事故が起これば、このように行き場の無い方が大勢生まれるのを分かっていながら、原発に依存し続けることは私には本当に理解できません。」「国政を預かる方が何よりも優先すべきなのは国民の生命であり、これを無視して一企業の存在を優先するなど言語道断です。」

◎意見表明者24(浪江町)
「使用済み核燃料と福島県内の汚染物質の処理問題です。原発を再稼働すれば使用済み燃料は発生し、増え続けるごみを安定的に処理しなければならないのです。私は、最終処分場が解決しなければ、2030年を待たずに全国の原子炉を停止してほしいくらいです。」「命と電気、これから生まれてくる命、どちらが大切ですか。どう考えても命です。この事故を契機に、今後のエネルギー政策について大きな良い転換期になることを望みます」

◎意見表明者25(郡山市)
「原発事故以降、目に見えない恐怖にさらされ、自らも被ばくしております。」「政府が一番やらなければいけなかったことは、原発事故が起きた時に子どもたちの命をどう守っていくかということだと思いますが、福島県内においては、それが確実に実行されたとは言えません。」「最も懸念することは、感受性の強い子どもたちへの影響です。健康に悪影響を及ぼす恐れのある放射性物質の拡散は、保護者たちを大きな恐怖と不安に陥れました。そして放射性物質による環境汚染は、子どもたちが健やかに遊び、育ち、学ぶ環境をことごとく奪いました。」「政府による正確な情報、安全な食品を提供されず、不要な内部被ばく、外部被ばくを受けたのです。多くの命、財産、かけがえのない美しいふるさとを奪われ、苦悩を心の底から理解していただきたい。」「地震、事故が起きたとき、暴走を止めることができるのか疑問です。高い放射能数値の中、汚染水処理と、危険で過酷な作業を行う人が絶対必要ですが、果たしてそれがどのように確保されるのでしょうか。事故に、経済損失は数十兆円という国家存亡に揺るがす規模です。国民への負担増を強いる原発は、経済的にも合いません。」「福島事故の経験から明らかのように、一度事故を起こせば、完全に収束されるまで長期間かかります。私が収束最後まで見届けることは極めて困難。完全収束まで40 年を要するなら、60 歳の人は100 歳になってしまいます。福島事故の責任を一体誰が取ったのでしょうか。将来世代への大きな負の遺産は絶対許されません。放射性廃棄物中間処理施設、最終処分地はいまだに示されておりません。原発に頼らないエネルギー政策への大転換に挑むことが重要です。」「私の父は避難先の病院で亡くなりました。病院に置き去りになり、被ばくし、持病で治療のできる病院がなく、福島から東京に行き、東京で亡くなりました。放射能を除けば、水、電気があれば継続的な治療等ができたと思います。」

◎意見表明者26(福島市)
「この地域が放射線量の高い地域として有名にされてしまったことに、強い憤りと悔しさを感じています。」「私は2人の大学生を育てています。子どもたちは多くは語りませんが、生まれ育った福島にこのまま住んでいいのか、福島で結婚をし、子育てをしていってよいのか、そういう深いところで悩んでいます。」「私の周りにも、子どもさんの寝顔を見ながら本当に福島で育ててよいのか、涙を流すお父さん、お母さんがたくさんいらっしゃいます。子どもを守るためと自主避難をし、離れ離れに暮らす家族も限界を迎えています。」「私たちには今希望が必要です。安心して子供を産み育て、安心して暮らし、安心して働ける、そんな当たり前の生活を一日も早く取り戻すための希望です。その最低限の前提は、現在の福島原発事故を本当の意味で収束させること、そして原発をなくし、事故の不安から解放することだと思っています。」

◎意見表明者27(郡山市)
「現在学校や公園、役所、駅などで、主に線量計をやっと設置していただいて、線量が随時分かるようになりました。ただ、私の住んでいる郡山市の近くの公園では1.0マイクロシーベルトある公園があります。そこで普通にお子さんが砂遊びなり、泥遊びをしています。その公園の横の側溝ですね、そちらのほうを測ったら、どなたかの発言もありましたけれども、100マイクロシーベルトあった。そこには12万ベクレルのセシウムが検出されたという調査結果も、あるところから聞きました。」

◎意見表明者28(相馬市)
「原子力発電によって、福島は数え切れないほどの甚大な被害を受けています。まず先祖代々受け継いできた土地、豊かな自然、そこからの恵みの数々、特に相馬のおいしい魚、震災後それらはすべて失われました。日々の食事による内部被ばくや外部被ばくにおびえた生活を余儀なくされています。基本的な普通の田舎の暮らしができません。」「今まで生み出された放射性廃棄物は膨大な量です。そんなこと分かっています。ですが、もうやめにしましょう。プルトニウムなどは無力化するのに10 万年や100 万年といった長い年月がかかると言われています。100 万年後の人類にそんなごみを残していいんでしょうか。」

◎意見表明者29(須賀川市)
「居住地域は今なお0.7マイクロシーベルト前後です。また私は郡山市で働いておるんですけども、そこの建物の周辺は1マイクロシーベルト前後、表面汚染サーベイメータで量ると、10 万ベクレルとか50 万ベクレルとかというホットスポットが多数存在しています。」「私は福島原発告訴団というものに加わっております。皆さんもご存じのように、この事故を起こした東京電力の幹部や原子力村の方々、政府の方々、誰一人、責任を取っておりません。」「私は、原告団に加わって、是非ともこの事故の責任者たちが一日も早く起訴されて厳罰に処せられるべきだと思います。」

◎意見表明者30(伊達市)
「伊達市というのは献上桃でも有名なように、人も泣いていますけれども、果物も泣いています。特に、私がこの春に本当に悲しかったのは柿の木です。柿の木って、緑とごつごつした原木が本当に私好きなんですけれども、この春には全部真っ白になったんですよね。本当にそういう意味では、人も泣いているけれども、食物も自然も泣いているというのがこの原発事故で侵された私たちの福島の現状ではなかったでしょうか。」「私は子を持つ親として、娘はことし中学生に上がりましたけれども、去年1年間、原発事故以来、本当に一番楽しみにしていた6年生という時間を返してほしいと思います。6年に上がった瞬間から、外で遊ぶこと、それから友達といろんな思い出を作ること、奪われたこの1年間を返してほしい、本当に心からそう思います。」「ことし春にNHK で、1人で移動することができず、避難できずにそのまま餓死したという報道がされたときに、本当に私はショックを受けました。その人は本当に原発事故の被害者ではなかったのでしょうかということをあの映像を見るだけで私たちはすべてを知っているということを改めて言いたいと思います。それから、将来への展望を失い自殺をした農家や自営業者の方も本当に被害者ではないんでしょうか。」
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